短編
□逆転
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『ミク、ちょっと下に降りてきてくれないか』
朝、マスターからのモーニングコールで目を覚ました。
少しダルい身体を引きずりながら階段へと向かう。
ちょうどその時、クオくんとばったり会った。
「おはよ、クオくん」
「おはよ。……マスターから呼ばれたりしなかった?」
「え?クオくんも?」
何だろ?クオくんと一緒に呼ばれるなんて珍しい。
「なんか、俺ら悪いことしたっけ?」
「してないよ!!多分」
そんなことを話しながらリビングに行くとメイコ姉さんとカイト兄さんがいた。
「あれ?ミクたちも呼ばれたのかい?」
「じゃあ、二人も?」
「そうなのよ、あたしたち何かしたかしら?」
「……まさか、俺のアイスが「いや、それカイト兄だけだから」
皆がおしゃべりを始めたのをぼーっとしながら見てるとあることに気づく。
レンくんとリンちゃんが、いない。
皆いるのになんで二人だけいないんだろ?
「あ〜、皆集まってるか?」
マスターがなんだか気間づそうな雰囲気でリビングに入ってきた。
「何かあったんですか、マスター?」
「いや……その、なんだ」
マスターが口ごもりながら頭をぐしゃぐしゃと掻く。
そして、入ってきたドアの方に向かって「入ってこい」って言いながらまた頭をぐしゃぐしゃにした。
ゆっくりとリビングに入ってきたのは凄く綺麗な金髪の女の人と、同じ綺麗な金髪の男の人。
二人とも美男美女。
新しいボーカロイドかな?
少し年上みたいだからお兄さんとお姉さんが増えるってことだよね♪
…でも、どっかで見たような?
「え?何?新しいボーカロイド?」
「残念ながらはずれだ、ミクオ」
「じゃあ、その子たちは?」
「いや…だから…」
大きく息を吸ってマスターが何かを言いかけたとき、女の人が急に私に抱きついてきた。
「ミク姉がちっさーい♪めっちゃ可愛い!!」
「へぁっ!?」
「リン、ズルいぞ!!」
「ハグは女の子同士の特権よ!大体、レンにミク姉をハグする資格あんの?」
え、何?
今、何が起こってるの?
「今のでわかるようにこいつらはレンとリンなんだ」