短編

□君は誰のモノ?
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ムカつく、ムカつく、ムカつく!!


なんで、あんなバナナがミク姉の隣にいるのよ?!

誰があんたなんかにミク姉を渡すって言ったのよ?!








ぜっっっっっっったいに、認めない!!








だから、思う存分にあのバナナの邪魔をしてやるっ!!





「ミク姉〜っ!!」


「あ、リンちゃん!」


ミク姉が笑った!

あのバナナじゃなくて、あたしに。

もう、すっっっごい可愛い!!

そして、バナナことあたしの片割れのレンはすごい睨んできた。

なんてったって、あたしとミク姉は親友なんだからアンタとは別格なのよ。

良い気味。


「なんでリンが来るんだよ」


「別にいいじゃん。あたしとミク姉は“親友”なんだから。」


「俺は彼氏なんですケド?」


「はぁ?知るか。つか、友情の方が優先順位、上でしょ」


「は?バカじゃねぇの?愛情の方が上に決まってんじゃん」


ムカつく!!


「バナナのくせに!!」


「うっさい!!みかん!!」

「ふ、二人ともケンカは止めて!!」


仕方ない。

ミク姉の悲しそうな顔、見たくないし。

レンもしぶしぶといった感じで黙った。



そりゃ、そうよ。

1回、ミク姉ムシしてレンと続けてたら1週間も口聞いてくれなかったもん。


あの時は死にそうだった!!


でもね、ミク姉の隣は渡さない。

そう思ってレンを見たら同じタイミングで見てきた。












さすが、双子。











そこだけは、認める。


「ただいま〜」


玄関の方からカイト兄の声がした。

よしっ形勢逆転のチャンス!!

そう思ってるとミク姉があたしとレンの手をとった。


「ただいま〜。ん?どうしたの、ミク?」


「両手に花!!」


なんて、ミク姉が言ったもんだから、めちゃくちゃ嬉しいんだけど!!


「あはは、本当だね」


「でしょ?」


あたしとレンの手の甲をほっぺたにくっつけて、ふにゃって笑う。

もう、可愛すぎ!!


「「なんでそんなにかわいいのー?!」」


あたしとレンが同時に叫んで、カイト兄にお構い無しでミク姉に抱きついた。

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