小説置場Ⅱ
□泣かないで
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優しいあなたの腕の中が、大好きでした。
優しいあなたの声が、大好きでした。
優しいあなたが呼ぶ自分の名前が、大好きでした。
僕に向けてくれるあなたの笑顔が、大好きでした。
どんなときでも僕を守ってくれるあなたが、大好きでした。
｢トゲピー!｣
どんなときでも僕を愛してくれるあなたが、世界で一番大好きでした。
あなたに貰った愛のすべてに応えられなくて、ごめんなさい。
姿が変わっても僕を愛してくれるあなたを、僕も同じだけ愛していました。
｢さあトゲチック、みんなにさよならして｣
ごめんなさい、ごめんなさい。
｢‥‥ここに残りたいの?｣
ごめんなさい、ごめんなさい。
お願い、赦して、愛しい人。
あなたの愛すべてに応えずにあなたに別れを告げる僕を赦して。