書斎
□僕らのGUN WORLD
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「新学期」
桜舞うこの季節。初夏の匂いも待ち遠しい。
新入生が希望を胸に校舎内へと足を踏み入れる。
僕らにもこの春の爽やかな風の香りが……
全く届かない狭くきな臭い部室に居るのであった。
玲:新学期だよ、もう。僕も高校4年生。
雫:今年は受験が控えてるし、あんまり遊んでいらないよ?(笑)
玲:僕の場合、就活だけどねん。
翔:玲のような人物像を求める企業なんてあるのかな……(苦笑)
僕らも今年で高校4年生。
進学と就職ラッシュで、数名しかいないクラスメートも少なからず将来を意識し始めていることだろう。
玲:はぁ……就活ヤダな。尾崎さんも水戸さんも卒業しちゃったし。
ねぇー翔。
僕頑張ってさぁ、専業主婦するから家にお金入れてよ。
翔:さらりと爆弾発言しないでくれるかな?(苦笑)
春の陽気に体もリラックスモードにスイッチ。
翔と一緒に机に頬をつけて丸くなっていると、机に吸いつくような強い眠気に襲われる。
玲:就活やぁーだぁー……。
雫:あのねぇー……(苦笑)
今の僕にその睡魔を抗う余力は、これっぽっちも残っていなかった。