その先に
□第四話
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後から聞くと、俺は丸3日間ほど、1度起きたがまた眠ってしまったらしい
睡眠不足の毎日だったからだろうか?と勝手に色々と考えてみた
そういえば、とふと違和感を感じた
今考えるとやっぱりなんだか恥ずかしいが、何でローには俺の目元が見えたんだ?
俺でも視界が悪過ぎて、トラックにぶち当たったっつうのに
頭に手を伸ばすと
「フードがねぇ…」
フードがなかった…
動揺を隠し切れていない声で、
今にも消えてしまいそうな声量で、
やっと発した言葉は一言だけ
息が苦しい…
呼吸って難しい…
俺はいつからこんなにもフードに依存するようになってた?
(ポス)
「パーカーなら汚れてたから洗濯してるはずだ」
落ちてきたものの方に目も向けると、それはモフモフの帽子だった
「ぶっ倒れられたらこっちの仕事が増えるからな。
ないよりはマシだと思え」
目の前には、トレードマークともいえる帽子のないトラファルガー・ロー
これはもしかしなくてもこの男のか?
「なんだ?いらねえなら返せ」
「なんでもねぇ」
厚意に甘えさせてもらうことにした
フードとまではいかなくても、かぶると少し安心した
ローの香りだろうか?
甘ったるいようなアルコールと香水の混ざったようなにおいがする
かぎなれてないはずのローの香りが、なぜかどうしようもなく懐かしく感じたのは何でだろう?