空白の一年捏造虎兎

□愛執の日々
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今の空っぽな自分は、虎徹が居るから生きているようなものだ。
それでもこの半年ほどは、色々な都市や地方を回り、時には短い滞在をし、時には雑踏に紛れるように普通の…セレブではない、普通の若者としてアルバイトしながら滞在したりもした。
そうして様々なものを見、文化を学び、自分は何をしたいのかを探した。
一般人として旅をして、自分の価値観や常識が如何にズレているのかを知ったし、痛い目にも合った。
色々な人達とも出会った。
人生の上で貴重な時間で、人として成長できた。
しかし、人生の目標は見つからなかった。
これといってやりたい事もない。
虎徹の側に居たいという以外は。
ただの元相棒で友人という関係になっていくかと思ったが、半年間全く連絡しなくても虎徹への気持ちが褪せることはなかった。
情けないが、目標が見つからない虚無感を恋愛感情で埋め合わせようとしたのかもしれない。
だが、それでもいいと思っている。
とにかく、バーナビーの人生に虎徹が必要不可欠なのは間違いない事実だからだ。
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