めいん

□パンダヒーロー
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本当は一人でなんだって出来た。
俺は神童だからな。
でも利用されるのはもう真っ平だ。
せいぜい馬鹿にして嗤ってろ。
お前達が愚鈍を望まぬように、俺にも誰も必要ない。

売られた喧嘩は勝ってきた。
命名は狂った【悪鬼羅刹】
殻の中身は知る事ない。
教えてなどやらねぇよ。


「お困りならば俺を呼べ」
クラスの危機だけ助けよう。
学力だの内申だの知ったことか。
人間なんて大嫌いだ。


今日も屋上を目指し歩く。
危険な香りに怯えつつ、馬鹿(とも)の待つ場所へ。
ヒトに眼を背けられようと知るものか。
振り返ったところで、ロクでもないものばかり。


観察処分者 明久。
心強い友の 秀吉。
情報収集犯罪臭 康太。 
姫路と島田 後須川。

俺の世界それだけでカラカラと回る、他は無用。
何でもないような者は遠くへ。
さあ 何処かへ行っちまえ。


消えぬ記憶、災厄の日

人は愚かで、馬鹿ばかり。


俺はきっと神童じゃない

神よ、仏よどこに居る。


「あいつが悪いんだ。俺は悪くない!」
愚かの極みというなら今でなく。
たぶんあのとき俺は終わった。
あとは世界を閉じて、最期の日を待つだけ。


『励め若人』 お断り。
いつも自由気ままに遊んでる。
いいさ、嫌っていろよこの姿。
きっと望まれるほうが厭になる。

『紙一重だ』と皆の声。
ずっと馬鹿共と遊んでる。
きっと疎まれてんだ『落ちこぼれ』
いいよ、お互い様だサヨウナラ。


背中向ける、この世界。

ここで登場、ピンチランナー?


黒い死神に 捕まった。
「…が好き」と耳に馴染まぬ感情表現。


殻をこじ開けあいつが言う。
「…嫌いじゃなくて怖いだけ」
うるさい、如何しようもないだろうが。
嗚呼、今さら出られない。

「…遅くなんかない」
告げる愛情 これも嘘か?
違うとあいつは言う。
「貴方 危める 全てから」
「護ってあげる」と。
どんな呪いより酷い。
「だから傍に置いて」
この手とらえて駆け出すランナー。


ふたりで走る殻の外。


「…どうか信じて」ささやくライアー?

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