めいん

□ホーリー ホリデー
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休日のショッピングモール。

恋人達がピンクのオーラを出しながら牛耳る其処にワシは来ていた。

時刻は12:15。

待ち合わせの13:00には結構な時間がある。

それでもこの人を待っている緊張と期待の時間が嫌いではないワシには全く苦に成らない。


謎の石像の前で、想い人の姿を浮かべる。

高くスラッとした躯に紅く揺れる髪。

きっとどんな服を着ようが似合うのであろう彼に、少しだけ嫉妬する。


ワシはどちらかというと中性な顔立ちや背丈をしているため、男らしい服やジャケットは似合わない。

どんなに望んでも着ることの出来ないそれを、彼はいとも簡単に着こなすだろう。

悔しい筈なのに緩む頬の矛盾。

恥ずかしいけれど、それがワシの彼に対する想いで。


あぁ、

今からの行為が恋人同士のする逃避行(デート)であればどれ程良いのだろう。

想いも告げられぬ弱さを嘆く。


実際は唯演劇部の小道具を買うだけなのに彼を誘って。

デートみたいだと1人ではしゃぐ自分が居て。


自嘲気味に像の傍のベンチに腰かける。


そして人混みの中から、揺れる紅い髪を確認して1人微笑む。


「雄二、此処じゃ」


手を挙げて居場所を示す。

ふわっと笑う貴方の顔が、学校とは違う特別なものに見えて。

其れだけでワシは幸せの絶頂に行けるのだ。



それはつまり特別な休日。

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