めいん

□暴食が対価
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躰の痛みで目をさました。

フローリングで寝ていたからか、無理な体勢を続けたからかは定かではないが、体が面白いぐらいに軋んでいた。

朝には、なったようだけれど、当たりは暗い。

雨戸、昨日閉めたっけな…。

思考を巡らせてみても、答えは見つからない。

せめて電気を付けようと、無機質なリモコンに寝っ転がったまま手を伸ばす。


二、三度瞬いて、ゆったりと世界は色付いた。

そして目の前には、ブサイクもとい、雄二の顔。


電気を付けても、ピクリとも反応を示さない無防備なアホ顔。

そういえば、雄二は寝起きがわるいんだっけ。

目の前にして、改めて認識をした。

なんか、意外だな。

僕に雄二は、図太くみえて実は神経質。

器用に見えて、実は不器用。

そして、武骨な優しさを持っている人間に見えている。

だから、寝起きが悪かったり、無防備な姿をみると変な気持ちになるんだ。


強化合宿の夜を思い出す。

あの時も、目を開けたらすぐ傍に雄二の顔があった。

ほんのり色付いた頬、柔らかそうな唇。


やばい、少しだけドキドキしてきた。


あの時と同じ状況、違うのは周りに人がいないってこと。


触っても、起きないだろうか。

大体、こんなに無防備なのがいけないんだ。

寝ている人間に何かするなんて最低かな。

いや、でも、少しぐらいなら赦されるかな。


二人の距離が近づいてく。

あと数p、あと数o。

寝息が僕に触れる。

雄二の温度も、全て伝わってきそうで。


ごめん、雄二。

我慢出来ないや。


目を閉じて、口付けをしようとして…止めた。


なんだか、凄く悔しくて、なんだか凄く惨めに思えた。


それでもこの気持ちは押さえきれなくて。

気を紛らわすために、朝ごはんを食べ過ぎて雄二に呆れられるのはまた別の話。

そう、気持ちの捌け口だよ!!

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