めいん2
□秘めた想い
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例えば誰かがこの手を握り返したとして。
私は其に見合うだけの何かを返せるのか。
例えばこの手がアナタに届いたとして。
傷付けないで居られる保証なんてないのに。
例えばこの聲をあの人が聞いたとして。
いつものあの笑顔をくれるのだろうか。
例えば、例えば、例えば。
幾つ重ねれば現実になるのかな。
どんだけ願えば叶うのかな。
神様は留守ですか?
それとも私ではない誰かを救っているのですか?
「姫路、いつもありがとうな」
優しい微笑みで、声をかけてくれる。
貴方は、いつも私を気遣ってくれて。
「いえ、これぐらいしか私には出来ませんから」
感情を隠して笑う私はずるい。
あの人のように、自分の思いを告げることも。
態度で示すこともしない。
隠して、隠して、隠して。
叶うわけ無いんだって、自己完結して。
初めから戦う気なんて無いくせに。
それでも、貴方に頼られていることを誇りに感じて。
隣で笑うのが私ならいいのに、何て考えて。
浅ましい想像までして。
嘘つきな私の本当の心。
坂本くん。
私は、貴方のことを。