めいん2

□知識、失楽、林檎
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蛇はイブを誘い出した。
誘惑に負けた彼女は罪を犯す。
禁じられた林檎を口にしたアダムとイブ。
神様は言い付けを破った二人に罰を与える。
知識を得た二人は、楽園を追い出される。
それが、物語の終わり。

神様は、知識を得ることを禁じたけれど。
僕はね、考える事が出来るって素敵だと思うんだ。
悩むことが出来るって、最高だと想うんだ。
お互いの思いを理解しきれたとき。
それが例え完全な互理解ではなかったとしても。
感得し得た時の喜びは測りしれない。

だからね。
例え楽園を追われたとしても。
僕は、相手を理解しようと努力すること。
努力の先に見える共感。
そしてそれに至るための相手への好意。
全て、必要だと想う。

そして。
人々が意味嫌う感情。
七つの大罪。
人が生きていく上で切り離せないこれらに。
その全てに意味があるのだとしたら。
何かを成すための手段だとしたら。
決して無駄じゃない。
罪だと言われても。
それで終わりではない。


何が言いたいかって言うと。

嗚呼神様。
恋が出来るって、幸せです。

知識を得て、失った楽園にはもどれない。
それでも、林檎によって齎された幸福を。
憎む事は出来ないよ。

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