学校の日常30

□机の上の教科書
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アニコミ学園の二年生の理系選択科目(物生地)は一〜三組、四〜五組のグループに分かれる。

そして悟空は三組の生物学。
何時も生物室で授業している。
そして三組の教室では地学の授業が行われる。

その日もそうだった。

「はい、今日はここまでにしましょう」
「きりーつ、ありがとうございました」
「「「ありがとうございましたー」」」

なんとも気の抜けた礼のあと、ざわざわと自分の教室へ帰っていく生徒たち。

悟空も友達と一緒に話ながら教室に戻った。
そして自分の席につこうとして、それに気付いた。

「地学の教科書?」

ポツンと置かれた物理の教科書。手に取り裏を見てみるが、名前はなかった。
中身もパラパラと目を通すが、持ち主の名前らしきものはなかった。

「なぁ、地学の時、ここだれ座るんだ?」
「お前んとこ?ん〜……わりぃ、思い出せない」
「マジか」

地学を選択しているクラスメートに聞いてもわからないと言われた。
これは困ったと教科書を見つめ、ため息をつく。



ったく、ダレのだよこれ……



机の上の教科書



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