最遊記

□肝試しは夏のお決まり。
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ぎぃぃいっ




古い洋館だから…
扉は嫌な音をたてる。




怖がる私の手を引いて…
スタスタ屋敷に入っていく。





「ご…悟空ってさ…こうゆうの大丈夫なんだ?」








「ん〜?大丈夫っていうか…幽霊ってのがよく分かってないんだよな」










「へ…へぇ…」





自分で聞いておいて
なんだか…悟空の答えなんて…
ほとんど耳に入らない。


恐怖で目なんて開けてられなかった。







「……」


すると、悟空が立ち止まる。





「??」



何だろうと、目をゆっくり開けると…
悟空がこっちを見ていて…







「俺から離れんなよ?…幽霊につれてかれるかもしれないかんなっ!」



と、私の腕を引っ張って、
自分の腕に絡ませる。


怖くてぎゅーっと抱きつくみたいに
悟空の腕に抱きついた。




「ご…悟空…怖いこと言わないでよー」







「ごめん、ごめん」



悟空は笑って謝った。







*********





一通り屋敷を回ったが何もいなかった…。



これが最後の部屋。



ガチャ…
キィイイ…



相変わらず、嫌な音だ。










中を見回すが何もいなかった。





「…なぁんだ、なんもいねえじゃん…つまんねーの」





そんなことをいいながら
ドアを閉めようとする悟空。









そのドアの隙間から見えてしまった…






「あ、あのさ…悟空」







悟空に声をかけると…
ドアを閉めていた手が閉めかけで止まる。



「何?蒼空?」









「…あれ、」



私が見つけた何かを指差すと…




「え?」




悟空はゆっくり
それを見た。



その瞬間…
その部屋の隅で横たわるようにいた何かが…
ブワッと
私たちに向かって飛んできた。






「ぎゃぁあああーっ!!!」



何かは分からないけどとっさに…
2人は叫んで逃げた。


悟空は私の手を引いて…
玄関へ顔色真っ青で猛ダッシュ。









バンッ




玄関のドアを開けて外に出る。





バンッ






と悟空がドアを閉めたのを確認して…
私はへなへなと…悟空の足元に座りこんだ。

というか、腰が抜けた。








「…ハァッ…はぁ…はぁ…」





悟空は膝に手をついて、肩で息をする。





「うぅ…」



蒼空は震えて涙を流していた。













すると、






「…お帰りなさい、2人とも。どうでしたか?」





と八戒の声。









「…八戒っ…この家…やべぇって……っ!?」


顔を上げた悟空の声が止まる。








「…?」








不思議に思って顔をあげると…
そこには、










恐ろしい顔をした男が立っていた。





「い゙ゃぁあああっ!!!!」






そんな蒼空の叫び声が、町中に響きわたったのでした。







肝試しは夏のお決まり。
(ちょっとやりすぎましたかね)スポッ(やっぱ八戒じゃんっ!)(あらら…気ィ失ってんじゃん)(やりすぎだ、馬鹿)




―――――――――――




こうゆうのやってみたかった。笑


アマイモンくんでやろうかと思ったけど
なんか、驚いてくれなさそうなんで…
悟空と共に。


楽しかったっ!!!笑





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