最遊記

□そんなキミが大好きなんだ。
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眠い…。

車って眠りを誘う
ゆりかごだよね。




喧嘩する、悟空と悟浄の間で
うとうとする悟空の彼女、蒼空。





「このバカ猿っ!!」



「はぁっ!?俺?…エロガッパが絶対勝てるとか言って大金賭けるからだろ!!」






この2人はさっきの街で、
悟浄が博打で大金賭けて負けたことで
喧嘩していた。





「…」




とにかく、うとうとする蒼空には
どうでもよかった。




「…もとはと言えば…お前が大量に食うからだろが!!」




「それは三蔵がっ!!」



ガウンッ






「……俺がなんだ」



「あ…えっと…ハハハハっ」




初めから説明すると、
まず、悟空がご飯を大量に食べる。

三蔵がカード無くす。

悟空と悟浄と蒼空で
少しの現金を増やそうとした。






しかし、失敗…
結局、働かされた。





「…」






ここまで説明して、
蒼空の記憶は無い。













*******





「…蒼空?」



「……」





蒼空が俺の肩にもたれてきたので
顔を覗くと眠っていた。








「……蒼空…」



「…うるさい…」




蒼空はそう呟いた。







「…え?」



寝言…?




「…嫌な夢でも見てるんでしょうか?」


八戒がそう言う。
そう言われれば、眉間にシワを寄せて
苦しんでいる。







「…蒼空…。これって起こした方がいいの…かな?」





「嫌な夢ならさっさと覚ましてやるべきなんじゃねえの?」





「…蒼空、蒼空!!」




肩を揺すって呼んでみる。






「…」



起きない……。






*********








「結局、起きませんでしたね」



それから、夜になるまで起きなかった。




「あのまま悪夢にうなされたままでいいのか?」



八戒達は、
蒼空がもたれていて
動けない悟空を置いて…
少し離れたところで、野宿をしていた。



「何か…原因があるんでしょうか?」




「さぁな、」






**********


「…蒼空〜、そろそろ起きてくんねぇかな…」


少し先にある、温かそうな火の光が
羨ましい。




蒼空が風邪引かないように毛布をかけていた、その毛布の端を借りて悟空も
毛布にくるまる。






「…大丈夫だから…蒼空、側にいるから。」




相変わらず、蒼空は苦しんでいる…。





「目ぇ覚ませって…」

















すると、蒼空がゆっくり目を覚ます。



「……ご…悟空…?」




「蒼空!!!!」


悟空は嬉しくて
蒼空を思いっきり抱きしめた。


「わっ!?…悟空?」





「よかった…よかった……このまま…起きないかと思った…」



悟空は、少し震えた声で、
蒼空の頭の辺りを抱きしめて、
蒼空の頭をなでた。







「…ごめん…」



悟空の様子に、何となく謝る蒼空。








「蒼空…」



そう蒼空を呼ぶと
軽くチュッとキスをした。




「えっ…悟空?」








「…ハハッ…ごめん。なんか安心したらキスしたくなった」






「…えぇ〜…なにそれ〜」



そう、恥ずかしそうに笑う蒼空。

それが可愛くて、もう一度、蒼空に
キスをして、笑いあい
悟空はジープを降りた。





「蒼空、みんなのとこ行こうぜ!!腹減った!!」



と蒼空の手を差し出す。



「うん!!!!」




蒼空は嬉しそうに、
悟空の手を取る。







みんなのところに行きながら悟空が疑問に思っていたことを聞く。




「そういや…蒼空、怖い夢見てたんだろ?」





「…あぁ…悟空と悟浄がね、スッゴくうるさく喧嘩してるの。ずっとその間で耳塞いで動けなくてね…」





「…もしかして…それだけ?」





「え?うん、そうだよ。」





「…まじ?心配して損した〜」





「えぇ〜?」


そう笑う蒼空、
可愛くて、凄く愛おしい。





だから、

そんなキミが大好きなんだ。




――――――――


甘い甘い…

甘いねぇ?


あ、カードはどうなったって?

可愛い、三蔵一行のアイドル…
蒼空ちゃんが持ってました。





「……ごめん…なさいっ!!」

「…可愛い…っ//////」





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