☆DORACO★DREAM☆

□またお前か(ギャグ)
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『あああああああああああ!!!!!!!』




ここ、ホグワーツ魔法魔術学校に、女生徒の叫び声が響いた。








ことの始まりは1分前。

スリザリンの象徴ともいえるドラコ・マルフォイは、いつものようにクラッブとゴイルをしたがえて廊下を歩いていた。


すると、前から走ってくる生徒がいた。
マルフォイはそれには気づかず、気取って歩いていたのだ、が…。




どん!!

「っ」


その生徒はばっちり、マルフォイとぶつかった。

とうぜん、マルフォイは怒って叫んだ。



「おい、何するんだ!気をつけー」

あああああああああ!!!!!

「…!?」



その生徒はぶつかって転んだことも忘れ、自分の手元を見て悲しみの声を上げた。

マルフォイは何事かと、転がっている女生徒を見た。




すると、その女生徒の手元には、つぶれたカップケーキ………



しかもよく見ると、マルフォイの嫌いな(苦手な?)キノだった。




『かっ…かっかかかか』

「なんだ、菓子ごときで…ていうかまたお前か、よく僕にぶつかってきt『何すんだよおおおお!!!』ぶっ!」




がば、とキノはマルフォイの首根っこをつかみ、怒りだした。




『カップケーキが!カップケーキが!

「な、ちょ、」



マルフォイはいきなりのことでびっくりしていた。
キノはうわああああ〜と言いながら、マルフォイの首をぐいぐいと揺らしている。

周りの者は驚きながら過ぎ去ってく。
マルフォイにこんなことする人はじめて見た…というような目で。


「おい、やめろ、やめろ!」



ばっ、



マルフォイは自力で脱出した。




「何するんだっ!!!!」

『お前こそ何するんだっ!!!』

「何って、ぶつかってきたのはお前だろ!?」

『お前のせいでカップケーキが台無しになった!』

「たかがカップケーキで騒ぎすぎだ!!」

『たかがカップケーキだとおおお〜!?!?』




すると、またもやつかみ掛かってきそうだったので、マルフォイは全力で避けた。




『ひどいよ、しかも謝りもなしに、君って奴は…』




ついにその場に両膝をついて四つん這いになってしまったキノ。ううう〜とうなっている。



「お前が悪いんだ、僕のせいじゃない!だいたい、そんなものいつだって食べられるだろう!?お前の食い意地はクラッブとゴイルと良い勝負だな…」


『…………………』


「?」





急に押し黙ったキノを不思議そうに見るマルフォイ。
別にこのまま立ち去ってもいいのだが、なんとなく近づいてみた。


ひょいっ




顔を上げたキノは、



『ううう〜』




ぽろ、と涙を流した。





!!!!!



びっくりして固まるマルフォイ。




『うぐ、うう〜』



「な、なんで泣くんだ!?何泣いてるんだ!?」


『かっぷ、けーきぃ〜…いいい』


「そ、そんなものの為に、お、おい泣くな、やめろってば!」



マルフォイは周りを心配しながらオロオロしていた。
馬鹿な部下2人に助けを求めたが、お手上げ状態だった。



『うううううああああああうううううううういいいいい』

「静かにしろ、おい黙れって!」


『かっぷうううけえええきいい』


「わ、分かった!カップケーキくらい後でやるから!」


『!』





それを聞いた瞬間、キノはばっと顔を上げ、『本当!?!?』と、笑顔満開になった。




「っ、」



それを見てたじろぐマルフォイ。

あれ、今なんで僕はカップケーキあげる約束したんだ…?


そしてなんだこの変わりようは!




『本当にマルフォイ?!くれるの、ねえ』

「あ………ああ、本当だ、だから早くその涙をふけっ!」

『うん分かった』




ごしごし、とふくキノ。

えへへ、と笑う。



「…………」





なんでこんなことになったんだ…………。

疑問は残りつつも、キノとマルフォイとその部下はそのあと大広間に向かったという。





END



(わーい!いっぱいあるぅ!)
(なのに、なんでさっきはたかが1個で泣いたんだか…)
(おいしー!マルフォイ良い奴だな!惚れるわ!)
(………!?)

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