short

□love or like?
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「love or like?」
「………は?」
フランの部屋で、まったりデート。
今日は、連日連夜任務だったオレを気遣ってフランがオレを部屋に呼んでくれた。
本当は2人で買い物でも行こうかと話していたのだけど、別にオレは平気だっていうのにフランは「ミーのせいで倒れられたら嫌なんですー!」と言って聞かず、街に出るのを我慢させてしまった。
そこに、愛はあると思う。
心配してくれているんだ、と心が暖かくなる。
でも、フランは皆に優しい。
毒舌で素直ではないが、執務で疲れた様子で談話室で休憩していたスクアーロを見て後で隊長室に紅茶を届けたり(勿論「ミーのついでですー」という文句は忘れず)、ルッスには「たまたま出先で見つけた」と言って、以前ルッスが欲しいとこぼしていたティーセットをプレゼントしていたり(ちなみにそれは限定品である)。
まぁ、フランはかなり周りに気を使っているのだ。
…何故それをオレが知っているかというと、ストーカーなんてしているワケはなく。
誉めると素直にならないフランの代わりに、「伝えてやれ」とオレに言って来るからだ。
…それは、確かに嬉しい。
彼女が親切だというのも惚れ直す材料の一つだし、何より皆に愛されていることに安心する。
ーでも、だから。
オレだけが特別、という態度でもないワケで。
確かに、オレと居る時は笑顔も見せてくれるようになったし、時々顔を赤くする様も恋してくれているんだ、と実感できる。
…でも、言葉は欲しいワケで。
柄にもなく不安になり、こんなセリフが思いついたということになる。
「…センパーイ?何でまたイキナリ…」
「イキナリじゃねーよ、ど?」
「……どっちでもないですー」
「は?三択なんて言ってねー…」
ちゅ、と可愛らしいリップ音が鳴る。
オレが仕掛けたワケでもなく、でも確かにオレの唇には柔らかいモノがあたって。
「…don't love」
「………え、」
「…………………………の反対の反対の反対ですー///」
目の前には頬を朱色に染めた愛しい彼女が、ぎゅっと目を瞑ってうつむいているから。
その可愛さに思わず微笑んで、顎を掬うとkissを落とした。

[love or like?]

Answer、それは「Very Love!!」

(スキ、それとも愛してる?)
(ミーは、センパイ以外はスキですよー)
(センパイは好きなんかじゃないですー)
(大嫌い)
(…の、反対の反対の反対ですー…)

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