short

□litle girl***
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小さくて可愛いお姫様。
どんな趣味のなのか如何知れないが被っているリンゴ帽(リアルな幻覚)を見やり笑みをこぼす。
…そういえば、昔からリンゴ好きだったな…。
フランへと向けていた視線を再び雑誌へと戻す。
静かになった部屋には、フランが紡ぐ鼻歌しか聞こえなくなった。
「……ソレ、お雛様?」
どこかで聞いたことのある歌。
そういえば今日はジャッポーネでいう“お雛様”の日だったな、と昔何気に耳にした雑学が頭をよぎった。
「はいー!オヒナサマですー。見てー、ボスから貰いましたー!」
「…へぇ。流石ボス。…良かったな」
「はいー!綺麗ですー…」
キラキラとこぼれそうなその大きな目を輝かせて人形を眺めるリンゴ頭。
ーいちいち可愛いすぎる。
ロリコン、とか言われるけど違う。
…フランだから小さくても好きだし、王子は悪くない。と思う。
(だってコイツ、ぜってぇマイナスイオン発してるもん。ちょー和むし)
雛人形の前に座って見入っているフランの翡翠の髪をがしがし、と混ぜれば下方から
やめてくださいー、という少しすねた声を出したフランが抱きついてきた。
「…お人形、はやくしまわないといきおくれるそうですよー」
「…なに、ンなのいっちょまえに心配してんの?」
「…」
「だーいじょうぶだって。フランは王子が貰ってやるから♪」
「…………へ、?」
「しししっ!かんわいー、フラン」
「なっ…!何勝手に人の運命決めてんですかー」
「え?だってフランは王子に永久就職するんだよ?」
「……………なーに言ってんだバーカ」

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