short

□愛に溺れる
1ページ/1ページ

青峰は黄瀬を溺愛しすぎだ、とよく言われる。部活後のワンオンワンや、休みの日に2人公園で賭バスケしてるときとか。どうして、って聞いたら顔が優しいんだ、とテツに言われた。…失礼な。俺はいっつも優しい顔をしているだろうに。
「…とか言ってもよぉ〜…。……コレ相手に甘やかさないほうがどうかしてるよなあ」
相手はあれだぞ、ハリウッドスターも羨む美貌の持ち主兼デカいけど子犬っポイ黄瀬涼太。甘えてくるのとかもう本当にヤバい。イコールアイツが可愛いすぎるのが悪いんだと思わないか。なぁ(脅迫)。
「…オイ、起きろ」
黄瀬の鼻をつまんで話しかける。ぎゅむむむむむむげほっ!ぱっちりしっかり開けたコイツの目は今のことが原因なのかちょっとばかし赤い。
「何するんスかっ!人がせっかく寝てるときに…」
「おー、ハヨ。プールに溺れたと思った?」
「トイレの便器に顔つっこまれたかと思った」
「マジかよ」
それは考えつかなかったわ、と黄瀬の蜂蜜色の髪を撫でる。きょとり、と不思議そうな表情をしながらも大人しく撫でられてるコイツはやっぱり超カワイーんじゃないかと確信する。
「どしたの?青峰っち」
「…あー、なんか今日テツから俺がお前を溺愛しすぎとか言われてよー。…まー、自覚はあるっちゃあるんだけどな」
「なっ、なななな何イキナリ言ってんスかちょっと!」
「あん?」
「び…びびびびったー。今全然心の準備してなかったから…」
「?」
よくわからんがごちゃごちゃ言ってる黄瀬を膝の上に乗せる。ぽんぽん、と背中を叩くと甘えるようにぎゅううううと抱きついてきた。…つーか、しがみついてきた。
「ん、黄瀬。何、今日は甘えたじゃん?」
「たまには。ね」
「…おまえの場合たまにはっつーか毎日じゃね?」
「そっスかね?えへへ、だって青峰っちにくっついてると何か安心するし…」
「   」
あー、もう。
ほらな、コイツ相手にして溺愛しねぇやつなんていねえだろ。だってコイツ無自覚タラシじゃねーか、ったく。
…本当、超カワイー。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ