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□プリーズ•ミー•デリカシー!
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俺の幼なじみは美人だ。
幼なじみであることを羨ましがられるくらいには美人だ。
同級生のモデルと並んでても劣らないくらいには美人なのだ。
幼なじみで美人。そこだけ見ればかなりの高スペック。
性格はまぁ…アレだ。
お節介。世話焼き。奴にマネージャーは的役だと思う。
しかしソイツのことを、何を血迷ったのか俺は好きになっちまった。
勢いで告白をしたらまぁ…所謂両思い?だったりして…
現在進行形で「恋人」でもある。
そんな「恋人」が今「恋人」になってから初めて俺ん家に来てて、しかも家にはふたりきり(まぁもちろん狙った)。
こちとら思春期の男だ。そりゃイケナイコトも考えたりしてるわけで…。
「だーいーちゃんー。ちょっと…寝ちゃ駄目!最後まで見ようよー」
…到底そんな雰囲気ではない。
コイツが事前に借りてきてたDVDは動物もので、まぁ、隣ではズビズビ鼻を鳴らしていて。
なあなあこれから男女の営みしねぇ?とか言ったら空気が変わる気がする。確実に。
相手がさつきならどうにかなりそうだが、さつきだから、でもある。
すげえ大事にしてやりたいし、それにホラ…ムード?とか必要だと思うし?
ここで俺が「エッチしようぜ!」なんて言ったら瞬時にムートがぶち壊しだ。…なるべくそれは避けたい。
だってほら…初めて、なんだし?
「んー寝てねーよー。さつきを観察してんだって」
「えー一緒に見……………ちょっとエロジジイ。どこ見てんの?」
「おっぱい」
「テメエコラ表出ろ」
どうやらムードは俺を裏切ったようだ。
視線一つでこんなにも態度が変わるなんて女心は随分と忙しい。
だってまあホラ、目の前にたわわと実ったFカップがあるんだし。自然と目がそこに行くっつーかなぁ?
「はぁ…もう本当信じらんない…!彼女に対してセクハラとか…」
「あん?おまえ俺はこれでも我慢してるんだぞ」
「ますますサイテーじゃないの…」
「おいさつき、DVDもういいのか?わざわざ借りてきたんだろ?」
「大ちゃんと一緒に見たかったの!なのに大ちゃん見てくれないし…私の胸…ばっか見てるし…いいよ!あとで1人で見るから!大ちゃんなんてさしずめベッドの下に隠されてるエッチなビデオでも見てればいいよ!」
「ちょ、さつき…気づいてたのかよ…っ!」
「もう…大ちゃんの馬鹿っ!帰る!」
くるりとドアの方に踵を返すさつきの腕を条件反射で掴む。
冗談じゃねぇ。こんな馬鹿げたことで喧嘩んなってたまるかっつーの。
「っ…、待てよ」
「………………」
「悪ィ。デリカシーなくて」
「…本当、信じらんない。スケベ男」
「でも俺だって…な?男だからさ」
「わかってるよ?大ちゃんがすっごく性欲強いのも。…私だって、覚悟はしてるし…」
「…………へ、」
「大ちゃんにならいいっても…思ってる」
「……まじでか」
「うん。……………だから、今日はさっきのDVDの続き見ようね」
「おいこら。そこは俺を誘う流れだろーが」



(だってデータによるとエッチはじらしてこそらしいから…なんて☆)

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