APH

□めっちゃ好きやで!
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「はあ…かわええなぁ…。菊はホント可愛いすぎやで…」

「あの…」

「ん…?」

「ち、近いです…息荒いし、ちょっと離れてください!」

「え〜?いやや。」


横から私に抱きついている人物、アントーニョさんはいつも誰かにベタベタとくっついている。

今日は私がターゲットらしい。


いつもはロヴィーノ君とかフェリシアーノ君とかなんですけど…。

何故か今日は私。


ロヴィーノ君もフェリシアーノ君もココにいる。

そう、ココは某国国会議事堂で今は会議の始まるほんの数分前。

だからその前に配られた資料とかに目を通したいのだが…。


私に引っ付いて私の耳あたりに荒い息をかけるアントーニョさんに邪魔されているのだ。


「それに今は国として来てますから、人名で呼んではいけませんよ。」

「いいやん、いいやん!俺、菊の名前好きなんやから」


そーゆー問題じゃないです。



ああ、もう集中できない!

「菊は女の子みたいやわぁ。柔らかくて」

「ちょ、何言ってんですか変態!」

なんとかアントーニョさんを引き剥がそうとするが抱きしめる力が半端ない。


私の身体に顔をこすりつけるこの人物は何がしたいんでしょうか。


「俺、菊んちの漫画とかアニメめっちゃ好きやで。」

「…。」


これはリップサービスというものか。


「でも菊が一番好きやねん。」

ニコニコと笑いながら告白もどきをしてきたアントーニョさん。

その好きがlikeを意味するのかloveを意味するのか…


アントーニョさんの表情からは読み取れない。



黙ってしまった私にアントーニョさんは目を丸めて見つめてくる。

「菊は俺のこと好き?」

「えー…」

何故そんなことを聞くのか。


「なあなあ、どうなん?好き?まさか嫌いとか言わへんよな?」

「え、と…。その…好きですよ。…」

「えー?その好き多分ちゃうやろ。」


もう何がいいたいんだこの人!



「ほら、会議始まりますよ。席についた方がよろしいのでは?」

「ああ、そやな〜。」


自席に戻ったアントーニョに安心して、やっと資料に目を通す。

それから数分後、爆音と共に登場したアメリカさんことアルフレッドさんが来たので会議が始まった



「HAHAHA!じゃあ早速、これからの世界平和に必要なことをみんなで話し合うんだぞ!ちなみに俺の意見は俺がヒーローになって、その他全員が俺に付いてくれば平和になると思うんだ!」


「またお前は自己中心的な発言をして…全然成長してねーんじゃねぇの?」



早速彼の意見に反対するイギリスさんことアーサーさん。


「なぁ日本、たまにはお前もなんか言えよ。アメリカなんかに世界任せてらんないだろ?」

そしてそこで何故私に話しを振るのですか。


「いえ、私は…みなさんの意見を尊重したい…と思いまして。」

これなら誰も傷つけないだろうと思って言ったが…


「お前なぁ…」

この人は呆れたように私を見た。


そしてその後ろに黒いオーラを纏った青年が彼の肩に手を置き、ニコニコと嘘の笑顔を貼り付けていた。

振り向いたアーサーさんが、なんだよ?と尋ねる。

「自分、なぁに菊に話しかけてデレデレしとんの?」

青年は先ほどまで自席についていたアントーニョさんだ。

ああ、もうまたこの人は…。


キョロキョロと周りを見回せばもう会議は踊っていた…


「はぁ?なんで俺が日本と話してデレデレすんだよ?」

いきなり喧嘩をふっかけられ気にくわない顔で彼は言った。

「……、なら菊にもう話しかけんなや。アホが移る」

それに負けじと睨みをきかせるアントーニョさん。


……?

あれ?…いつものアントーニョさんと違う。




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