長夢書箱
□プロローグ
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見惚れてしまうほど、空は真っ赤に染まっていた
ホタルが舞うように空に火の粉が舞い上がり、悲しく姿を消して行く
彼女はその光景をただじっと見ることしか出来なかった
どうしてこんなことになったのだろう
ほんの数時間前まで平和だった我が家
なのに今は炎が上がり地は真っ赤に染まっている
「祐、、、巧、、、」
彼女の目の前には最愛の夫と、最愛の息子が横たわっている
見ただけでも息が無いとわかるほど服は真っ赤に染まっていた
この状況を受け入れることも出来ずただその場に立ち尽くすことしかできない
誰がこんなことを?
何故こんなことを?
先ほど仕事から帰ってきた彼女にはどうしてこんなことになっているのか分からなかった
「ふふ、、、良いざまね」
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