収納棚:暁

□クリスマスだぞ、うん
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朝起きたら壁にかけた手作り靴下の中にプレゼントが入っていた。
オイラは眠い目こすりながら、靴下の中身を確認する。
手紙に書いたやつはちゃんと入っているのだろうか、うん。

「うーん…?…………うんんんん!!!!!」
なんと、サンタさんはちゃんとお手紙を読んでいるようで、"できれば欲しい"と書いておいたものまで入っているのだ。

中身をすべて出し、改めて確認する。
まずは、メインの粘土。これは起爆粘土と普通のを頼んでおいたんだが、二つとも入っている。
次に髷を結っているゴムが最近緩んできたので、二つほど頼んだ。
これもちゃんと二つ入っているぞ、うん。
そして、櫛。ちょっと高級な"本つげ"の櫛が欲しかったので頼んでみたのだ。絶対に角都の旦那じゃ買ってくれないからな、うん。

これは……入っている!
ちゃんと入っているぞ、うん!

早速寝癖がぴょんぴょん跳ねた髪を梳かしてみる。

おぉ、さすがはつげ櫛。梳かした後がさらっさらだぞ、うん。
櫛が髪を通る感触が気持ち良くて、何回も梳かす。
うぅうん、最高だぞ。ありがとう、サンタさん。

思う存分髪を梳かしたところで、髷を結う。結う時はもちろん、サンタさんからもらったこのゴムで。
うんうん、最高のクリスマスだ、うん。
そうだ、みんなに報告しに行こう。
オイラは部屋を出てリビングへ向かった。


リビングにいくと、暁のおっさん三人組がいた。ひとりは年寄り爺だけどな、うん。

「おや、デイダラ、今日はずいぶんと早いんですね。おはようございます。」
「おはよー鬼鮫の旦那!見てくれよこの粘土とゴムと櫛!サンタさんがオイラにくれたんだぞ、うん!」
「おやおや、それは良かったですねぇ。」
うんうん、本当に良かったぞ。

サソリの旦那にも自慢する。
「サソリの旦那もみろよこれ!かっこいいだろ!」
「あ?いつもと変わんねえだろ。」
「なんだと!?今日は髷の調子がいいんだ!いつもよりかっこいいんだよ、うん。」
ゴムも緩んでないしな。
なによりもつげ櫛で梳かしたんだ。変わらないはずがない、うん。

「角都の旦那も見てくれよ、いつもと違うだろ、うん?」
「髪か」
おお、さすが角都の旦那だ。
「うんうん、この櫛で梳かしたんだよ!みろよ、さらっさらだろ、うん?」
手で髪をなびかせてみると、やっぱりさらさらだ。

最高だ。

「そうだな、よかったな。」
「うん!」
オイラが貰ったプレゼントを自慢していると、飛段とイタチが起きてきた。
二人とも手作り靴下を持ってきている。

「かーくずー!みろよこれ、サンタさんがジャシン教のグッズくれたんだぜェ!!あと櫛も入ってた。"もとつげ"って書いてあるけど、あ、"ほんつげ"か。これで梳かしたらすっげぇ髪がサラサラになったんだよ。すごくねぇかァ?」
ジャシン教の飛段にもサンタさんはプレゼントをあげるのか。
あと、サンタさんはオイラにだけ櫛をくれたわけじゃないのか。
じゃあきっとイタチも…

「鬼鮫、オレは団子の詰め合わせとサスケの写真と櫛が入っていたぞ。」
「おやおや、今年のクリスマスプレゼントは豪華ですねぇ。」
やっぱり櫛を貰っていた。
サスケの写真、って、サンタさんは頼まれたら盗撮もするのか。とんでもないな、うん。

「今日はクリスマスですから、うんと豪華な晩ご飯にしましょうかねぇ。」
「鬼鮫の旦那!どうせなら朝ご飯も昼ご飯もうんと豪華にして欲しいぞ、うん、うん!」
「俺も久しぶりにスペアリブが食いてェ!」
「ロールキャベツ」
みんな好き好きに言う。
ロールキャベツはクリスマスじゃなくてもいい気がするぞ、うん。

「ダメですよ、豪華なのは晩ご飯だけです。材料がなくなってしまいますからね。」
ちぇ、でも晩ご飯の材料がなくなっちゃうのは困るから我慢する。

「鬼鮫ちゃんよぉ、スペアリブは絶対に用意してくれよ?」
「わかってますよ、飛段。」
「鬼鮫、ロールキャベツ。」
「ちゃんと作ります。」
「おでんの爆弾!!」
「それは作れませんねぇ。」
な、なんでだよぉお!
しょうがない、自分で買ってくるか…

今年のクリスマスは本当に最高だぞ。
来年も再来年もみんなと一緒にクリスマスを過ごしたいな、うん。
あ、でもオイラに彼女ができたら彼女と一緒にうふふな夜を過ごすぞ、うん。
その前に、女の子と出会える機会がないけどな、うん…

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