誕生日

□すなのさとの
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任務と言う名の買い出しに行かされてすでに二時間が経った。オレは今迷子だ。デイダラがよく使う言葉で言うなら「迷子なう」。

なう、というのは今、と言うことらしい。なら今って言えばいいじゃねえか。やっぱバカだなあの髷。

……そんなこといっている場合ではない。迷子だといっただろう。
ちっどうしてこんなことになっちまったんだ。さっさと終わらせて帰りたいのに、ここがどこかすらわかんねぇんじゃどうしようもねぇな。デイダラの鳥があればすぐなんだがな。

こんなことを思いながら、来たであろう道を戻っているのだが一向に見覚えのある道に出ない。おかしい。これは幻術か?そんなはずはない。ありえ……ん?あれは

「……白い鳥…?」

ふと上を見上げたら、鷹以上の大きさの白い鳥が飛んでいた。
もしかしたらと思い手を上げてみたが、白い鳥は知らんぷりしてオレの頭上を通り過ぎていった。デイダラの鳥ではなかったのだろうか。気になるので後を追うことにした。


「おい……戻ってきちまったじゃねえか……はぁ」

鳥を追っていったら迷子になった場所に戻ってきてしまった。

仕方が無い、これ以上動くのはやめよう。なぜかそう思い、その場にとどまる。
するとどこからかオレを呼ぶ声がした。

ー旦那、サソリの旦那。

旦那?デイダラなのか。

「おい髷野郎、どこにいるんだ」

そう言うも返事はなく、ただ旦那と呼ぶ声だけがする。

ーーというところで目が覚めた。最悪だ。夢ではないか。
起きるとそこにはデイダラがいた。

「旦那やっと起きたな、さっさと居間にこいよ。ケーキ食うぞ、うん」

「ケーキ?」
なんのこっちゃと思っていると

「今日はあんたの誕生日だろうが。そのケーキだよ。さっさと食わねえと腐るから早く行くぞ、うん」

あぁ、そうか。なるほど。わかった。

「あぁ、用意したらすぐいく」
「服来た状態で寝て他に用意することってあるのかよ」
「寝癖を直すんだよ」
「寝癖……?どれか寝癖だか…いや、なんでもない。早くしろよ、うん!」

わかってる、といい寝癖をとく。

こいつ、オレが傀儡だって忘れてねえか?

まぁ、いいか。楽しんでこよう。
居間に行くとみんな待ちくたびれた様子だった。

「遅れてすまねえ。さて、食うか」

そういってオレの誕生日パーティーが始まった。

11.8

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