紅天女
□第九章
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山中で捜索する事1時間、やっとの事で犯人を追いつめ、確保!と言う時。
ドS王子が余計な事をしたのだ。
「名無しさん退きなせェ!」
その声と同時に発砲されたバズーカ。
『ぎゃァァァァァァァ!!!!!!』
あまりの急な出来事に反応が遅れ名無しさんと犯人は一緒に崖の上から吹っ飛ばされたのだ。
そして冒頭に至る。
『あり得ません・・・・総悟の奴・・・。』
足元で気絶している犯人に手錠を掛けて辺りを見回す。
どうやら自分は木がクッションになったようで擦り傷意外特に痛い所は無い。
犯人の様子を見ても気を失っているだけのようで特に問題はなさそうだ。
『・・・・応援を呼ばなきゃ。』
隊服のポケットから携帯を取り出し画面を見る。
・・・・・・・・圏外ι
がっくりと肩を落とし項垂れていると段々雲行きが怪しくなってきた。
こりゃ一雨来るな・・・・。
どこか雨宿りする所を探さなきゃ。
念のため犯人を木に縛り付けて辺りを詮索していると、丁度少し行った所に洞窟があったので雨が降る前にそこに移動をした。
ぽつぽつぽつ。
移動を終えると同時に振ってきた雨。
洞窟の奥に犯人を押しやると入口近辺で、腰を降ろし空を見上げた。
・・・・のろしを上げたいところですが、雨降ってきちゃいましたし・・・まぁ総悟もいるし・・・大丈夫でしょう。
はぁと息を吐くとそれは少し白くなり空へと消えて行った。
季節は11月、流石に隊服だけではちょっと肌寒い。
ふと、犯人を見れば自分より薄着。
折角捕まえた犯人が具合が悪くなっても困るので横たわっている体にそっと、自分の上着を掛けてやった。
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