大江戸愛情物語(完結)

□第十九訓
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「大丈夫か?お前飯もまともに食ってないだろ?」


『う・・・だって痛くて痛くて・・・』


「痛み止めは?」


『飲んだ、飲んだけど痛いし、辛いし、ダルイし、眠い』


そう言って俺の膝に頬をすり寄せるコイツが可愛くて可愛くて、俺はその辛さを変わってやれたらな、と思いながら優しく頭を撫でる







本当に良かった
コイツが妊娠をしてなくて
いや、良かったじゃねェか
現にコイツは高杉の野郎に犯されたんだ
しかも体にあんなに傷を付けられて

その傷はまるで5年前にコイツを見つけた時の様で。俺は腸が煮えくりかえりそうだった
もぅこんな事にならねェように守るって決めてたのに・・・
結局俺らはコイツを守れなかった
それにコイツが泣いて謝っていた理由も分かってる
抵抗、出来なかったんだろ?
体の傷を見る限りコイツが抵抗した形跡はなかった
お前に植えつけられたソレが、お前を抵抗させなかったんだろ?
でもそれはお前が悪い訳じゃねェ
気にすんな、と言ったところでお前は納得なんかしねェだろうけどよ・・・


情けねェ


自分がふがいなさ過ぎて情けねェ





そんな事を考えてると、すーすーという寝息が聞こえてきた
少し身をかがめてまゆこの顔を覗き見れば気持ち良さそうに寝てやがる


可愛いな・・・



多分今のおれは笑ってる
自分でもびっくりするぐらいお前に癒されて、ここにいる事が嬉しくて、きっとお前が好きだって言っている笑みを浮かべて笑ってる


まゆこを起こさねェようにゆっくり身じろぎをしながら上着を脱ぐと、その小さな体に掛けてやった
小さい体には大きすぎる俺の隊服はすっぽりとまゆこの体を隠す
そこから生える細い足が何とも艶めかしく思わずごくりと唾を飲み込んだ




ダメだダメだ!!!!
あんなもんほっぽりだしてたらァァァ!!!



そこで俺はベストも脱ぐ
そしてそのベストは足に掛けてやった



見た目変だが仕方がねェ



俺の為だ・・・じゃあねェ、冷えねェ様にするまゆこの為だ!!!
決して自分の理性の為じゃねェ!!うん!!!!








まだ腹が痛てぇんだろう
寝てんのに眉間には皺が寄ってやがる
俺は男で
コイツは女で
男の俺はこういう時どうして良いかも分からねェ
痛い辛いと訴えるコイツに休みと膝を貸すぐらいしか出来ねェ
何か出来る事はねェもんか、と俺は眉を寄せながらゆっくり立ち上がった
まゆこを起こさねェ様に、ゆっくりと





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