大江戸愛情物語(完結)
□第七訓
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朝食の後、勲ちゃんと一緒に書類整理
なのに、彼の筆は一向に進まない
分かってるよ
分かってますよ
勲ちゃんは苦手なんだよね?
こういう書類的な仕事はさ・・・
分かってるからそんな目で見るの止めてくれるかな???
『はぁ・・・勲ちゃん、もぅいいよ?私全部やっとくから』
そういうと涙目をこれでもかと光らせる勲ちゃん
うん、キモイ
「で、でも俺のサインじゃないといけないのもあるし・・・・」
『あー本当だ・・・ならサインだけして?他の部分は私埋めとくし』
「まじでェェェェ!!!???流石俺の娘!!!いや〜出来た子を持つとお父さん嬉しいなァ〜!!!!」
『勲ちゃん、全部やらすよ?』
「何で!!??何が気にくわなかったの!!!??」
『勲ちゃんの存在が』
「俺の存在ィィィィィィィィ!!!!???酷いよォォォォォ!!!そんなこと言う子に育てた覚えはありませんンンンン!!!!」
『何が悲しくて勲ちゃんの子供になんなきゃいけないのよ』
「あ、恋人が良かった??でも俺にはお妙さんがいるからな〜すまん!!まゆこ!!」
『脳ミソ腐ってるよ??何がすまん、だよ』
そう言うとまゆこは近藤がサインした書類をトントンと角を合わせ一纏まりにした
そしてチラリと時計を見ると『そろそろお妙さんとこに行く時間じゃないの?』と言ってのけた
「ァ!本当だ!!!じゃあ後宜しくな!お土産買ってくるから!!!」
『お土産は良いから回収作業にならないようにしてねー』
それにニカっと笑うと近藤は疾風の如く部屋からいなくなった
早っ!!
ってか凄いなァ〜お妙さんて・・・
あんなゴリラを手なずけちゃうんだもん
あれ?手なずけてはいないのか
手出してボッコボコにしてるだけか
くくくっと笑うと、纏めた資料を持ち局長室を後にした
『ト〜シくん♪』
ガラっと足で襖を開ける
それに土方は少し呆れたように口を開けた
「お前なァ・・女ならもっとおしとやかに入って来いよ」
『この男所帯でなにいってんの〜??』
ケラケラと笑うと土方の机の上に先程の書類とお茶とお茶菓子をドン!と置き、隣に腰かけた
その書類の量の多さに土方がくっと眉を寄せて煙草を吸い上げる
「まーた近藤さんかよ・・・」
『まーしょうがないよ。ゴリラがペン持つのって大変なんでしょ?』
「さっさと進化してもらわねェと・・・・」
ぐしゃっと短くなった煙草をもみ消しながら渋い顔をしてそう言う土方にまゆこは苦笑する
でも結局はなんだかんだいって、その書類を手伝ってくれる事をまゆこは知っているのでっこの部屋に来ているのだ
それに彼の大人な雰囲気は落ち着いて仕事が出来る
まゆこはグイっとYシャツの袖を捲ると一気にその書類に手をかけた
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