大江戸愛情物語(完結)
□第六訓
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『この教師ってなんとなく銀ちゃんに似てるよね?』
「・・・・腐ってそうなところがな、大体教師と恋愛だなんてありえねェだろ」
『まぁそれがゲームの醍醐味じゃん』
そういうとまゆこはカチャカチャと操作をして次の画面を出した
『これは先輩で、体育会系のキャラクター』
「・・・・近藤さんに似てんな・・・」
『これが幼馴染の腹黒青年』
「・・・・・・・・・・」
『んで、これが同級生の優男』
「・・・・・・・・・・・」
『最後は不良先輩、クール系なのかな?』
「・・・・・・・・・・」
『なーんかさ、みんなに似てるよね?腹黒ってそーちゃんじゃん?優男は退だし、クール系はトシくん』
「・・・・・・・・・・・だな」
何度見ても自分たちに酷似したキャラクターに土方は呆れたように煙草の煙を吐きだした
『・・・・・みんなと恋愛かァ・・・』
その言葉に土方がピクンと反応する
まゆこは少し考える風に空を見上げて「ないな」というと再びゲームを再開した
『・・・"え?帰りにどっか寄ってくか"・・・はい。"ご飯か夜景?"・・・ご飯でしょ・・・・"俺ん家来るか??"・・・えーっと「オイコラァァァ!!!ダメだァァァァァァ!!!!万事屋の家なんか行ったらそのまま食われんぞォォォォ!!!!!!!」・・・・・・トシくん、これゲームι』
「ゲームだろうがこの顔に良い奴はいねェ!!!ぜってー行くなよ!!!!???」
『アホかι行かなきゃゲーム進まないし、それにこのゲーム別にエロゲーじゃないんだよ?そんな展開ある訳ないじゃん』
「大体万事屋をゲームで落さなくても良いだろ!!??んなゲーム止めろ!!今すぐ止めろ!!!!」
『はぁァァァ!!!??別に銀ちゃんを落としてる訳じゃないじゃん!!??』
「じゃぁ他の奴にしろ!!!他のキャラクタ―!!!!こいつは生理的に俺は受けつけねェェェェ!!!!!」
『別にトシくんがしてる訳じゃないじゃんι』
そう言いながらも激しく嫌悪する土方に仕方なくまゆこはキャラクター設定を変更した
『う〜ん・・・じゃぁ、一番上の体育会系の遠藤勇にしようかな・・・』
「・・・・(近藤さん・・・)」
コツコツとゲームを進めて行く
最初の方は内容が同じようでテンポ良く画面を進めて行く
そして遠藤ストーリーに入った時、まゆこの手が止まった
『えーっと?"おはよう勇くん、朝練お疲れ様、といってタオルを渡す、きゃ、勇くんの手触っちゃった、調子に乗ってその手を握りますか?"・・・・・・YES。』
「・・・・・・・・・・・・」
『"あ、そのジュース美味そうだな、一口くれよ。あ、間接キス、どうしよう、嬉しくて顔が赤いよ、彼が飲んだジュースに再び口を付けますか?"・・・YE「のォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!」・・・・ι何?トシくんι』
「NOォォォォォォォ!!!!!!間接キスNOォォォォォ!!!!!ゴリラだぞ!!??そいつはゴリラなんだぞ!!!??なんか病気移されっぞ!!!???」
『・・・・・・・トシくん、ゲームだって』
「他!!!他にしろ!!!」
『またァ〜???じゃぁ・・・腹黒??』
「・・・・総悟か」
『嫌だから違うから、沖口総司だから、ゲームだから』
少し呆れた眼差しを土方に向けながらまゆこは先程同様、沖口のストーリーまで飛ばして行った
それを横から土方がゲーム画面を覗きこむ
その眉間には深く皺が刻まれている
この男はアホじゃなかろうか?
そう思いながら少女は内容を読み上げた
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