大江戸愛情物語(完結)
□第五訓
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銀時と別れた帰り道
まゆこはひたすら考えていた
銀ちゃんのいったアイディアは良いと思う
誰かを倒してその実力を見せつける
でも実際に斬っちゃったらとんでも無い事になるし・・・・
と、言う事は普通に木刀で勝負?
あのトシくんと??
・・・・・・殺されるなι
んじゃ勲くん?
でも万が一勝っちゃったら局長としての立場ガタ落ちだしな・・・ι
じゃぁそーちゃん?
・・・・・・殺されて刻ませれそうι
退は・・・・ダメだ、退なんか倒した所でトシくんたちは認めてくんないだろうし・・・ι
うゥゥゥゥゥゥゥゥっ!!!!!!!
誰が良いんだァァァァァァァァ!!!!????
そう思ったとき、ある一人を思い出した
ツルッと光るあの頭
そう、原田右ノ助!!!!!!!
彼なら腕も良い、それに体格も良い、そんな男を叩きのめせたらきっと自分の実力も認めてくれて普通の隊士として扱ってくれる!!!!
そう考えたまゆこは、フン!!!と鼻息を荒くして帰り道を急いだ
その後ろで小さく溜息を洩らす男
「・・・ったく、旦那も余計な事を吹き込んでくれるよ」
2人が喫茶店に居る時から密かに尾行をしていた山崎は大体の話の内容から少女が誰かに試合を挑むだろうと予期した
「・・・止めるべきなのかな・・・・」
その言葉は小さく小さく消える様な声だった
*
何だ?アイツ何してんだ?
俺の前には縁側に片足をかけて何やらゴリゴリ音をたててるまゆこの後ろ姿
片足を上げてるせいで太ももが露わになっている
これは黙って見とくべきか、声をかけるべきか・・・
そう思ったが鳴っている音がゴリゴリゴリゴリ尋常じゃないので仕方なく俺は声をかける事にした
「オイコラ、パンツ見えんぞ」
『Σ!!??あ、トシくん』
「何やってんだ?ゴリゴリゴリゴリ」
そう言って隣まで来て俺は目をひんむいた
「おまっ!!何木刀ノコギリで切ってんのォォォォォォ!!!????」
『え、だって、木刀重いし・・・』
「重いって・・・当たり前だろ!!??どうすんだよコレ!つーか道場の勝手に持ってきて切ってんだろ!!!??」
『しょうがないじゃん!!私真剣重くて握れないから小太刀使ってんのに稽古の時は木刀振らなきゃいけないって不公平なんだよ!』
「あー・・・お前小せェからな・・14ocmだっけ??」
『サバ読むな、4cm足りないんですけど!?』
「あー悪い悪い・・・でもだからって木刀ぽっきり折っちまってよォ・・・」
『私専用にするから良いんだもん!!!もぅあっち行ってよ!!私忙しいんだから!!!』
ビシッとのこぎりを土方に向けてそう言うとまゆこは再び木刀を切り始めた
それに土方は苦笑すると縁側に腰を降ろし、煙草に火を付けてその様子を眺めた
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