大江戸愛情物語(完結)
□第四訓
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「いてて・・じゃぁ、何で殴って貰おうとしたの?」
殴られた頭を擦りながら山崎が首を傾げる
それにまゆこは何とも歯切れの悪い感じでしゃべりだした
『いや・・あの・・例えばね?敵に斬られて痛い時、その痛さを紛らわす方法を・・・ね?教えて貰おうかな?なんて?思ったり思わなかったり』
「何それ、大体今怪我してないのになんで殴って貰う必要があんの?」
『あ!そうですね!いやだァ〜私ってばおっちょこちょい★』
「"★"じゃないよ。何?なんか隠してるよね?明らかに隠してるよね?」
『Σ!!!??な、何も隠してないよ!!全然!?!?私に秘密なんてある訳ないじゃん!!!??』
「どこ見て言ってんの、俺の目見て言ってごらんよ」
『・・・・・・・・垂れ目』
「(イラ)まゆこォ〜!!!!???」
『と、兎に角、何でも無いから!!!じゃぁ!!そう言う事で!!!!!』
スカートをヒラつかせてその場から逃げるように出て行く少女を見ながら山崎は溜息を吐いた
そして今の会話を整理した
まゆこは殴って貰いたかった
それは痛さを忘れる方法を知るため
と、言う事は今、現にどこかが痛いのか?
それを俺らに隠してる?
なんで隠す?
俺らを心配させないため?
いやいや、違うな、あの慌てよう
アレはどっちかというと怒られるのを恐れてる?
何か悪い事をして、どこかを痛めた。
最終的にたどり着いた答えに山崎は胡坐をかいていた膝をポンと叩いて立ち上がった
そしてまたまゆこを尾行すべく動き出したのだった
『ヤバい、ヤバいよ。退にバレたら絶対怒られんじゃん!!』
「なんで怒られるんでィ?」
『そりゃ内緒で夜中に・・・Σ!!!!??そ、そーちゃん!!!???』
「へ〜?内緒で夜中に・・・・なんなんでィ?」
ニヤニヤと黒笑を浮かべながら何時の間にか真後ろに立っていた沖田にまゆこは飛び上がる
『ななななな何でも無いよ!?別に夜中に何してる訳でもないからね!!??』
「夜中にナニしてやがんのか」
『だから何なの!?退もそーちゃんも!!ナニってナニか!?ナニの事か!?』
「夜中にしてるって事は相手は真選組隊士って事か?」
「ナニいィィィィィィィ!!!!????ナニナニナニ!!!???今の会話!!どういう事!?まゆこお父さんに話しなさい!!!!!」
『げっ勲ちゃん!!!』
また面倒臭いのが来た!!!と思いながらまゆこは頭を抱えた
「近藤さん、どうやらまゆこの奴、夜中にナニをナニしてナニしてやすぜ?」
「ナニィィィ!!??ナニをナニしてナニ!!??許しません!!絶対絶対そんなの・・・・許しませェェェェェェェェん!!!!!!!!」
『何が何で何!!??その会話全然意味が分かんないんだけどォォォ!!??つーか勲ちゃんなんで号泣????』
「あーあ、まゆこが泣かせたァ〜ゴリラは一回泣きだすと中々泣きやまねェですぜィ?」
『いや、私のせいってゆーか明らかにそーちゃんが煽ってたよね?しかも今もゴリラって言って追い打ち掛けてるよね?』
「なんでィ、俺らに隠し事してるテメーが悪いんだろィ?」
そう言ってまゆこのほっぺたをムニ〜っと抓った瞬間、まゆこが『ヒィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!!』と凄まじい声を上げた
それに目を丸くする沖田
「なんでィ?そんなに痛かったか?」
『〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!!!!!!!!』
頬を押さえて涙を溜めるまゆこの横にスタッと天井裏から山崎が下りてきた
そしてガシッとまゆこの顎を掴むと無理やりその口を開かせる
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