大江戸愛情物語(完結)

□第四訓
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どうしよう・・・・
やっぱ痛い・・・・・

歯が痛いィィィィィィィ!!!!!!!

これはアレだ!!
確実に虫歯だ!!!!
ヤバい!!ヤバいよォォォ!!
もし虫歯がバレたら・・きっとあの事もバレちゃう・・・・
そうなったら絶対怒られるぅぅぅぅぅうう!!!!!!!!!






痛む奥歯に眉を寄せながら、念のために痛み止めを飲んでみる
が、あまり効かない

どうしたものかと、先程食堂に居なかった土方の部屋を訪れた





『トシくん、入るね?』



そう言って襖を開ければ机に向かう広い背中が煙の向こうに見えた



『うわっぷ!!凄い煙っ!!!』


「あ?あぁ悪い、窓開けてくれ」


『は〜い!』




ガラッと窓を開ければやっとクリアに見えてきた土方の姿




「で?どうした?」


『ん?ん〜とね。』




そう言って土方の背中に抱きつく形で座る
ギュッと腕をまわして背中を顎でグリグリと押した




ヤベ、可愛いっ!!
その行動可愛いんですけど!!!




『あのね〜?ちょっとね〜?トシくんに聞きたい事が・・・・って聞いてんの?トシくん??』





話に無反応な土方に頬を膨らますと、まゆこは彼の脇と腕の間にズボっと頭を突っ込んで土方の顔を覗きこんだ
それにビクッとする土方




「おわっ!!!どっから顔出してんだよ!!??」


『話聞いてないトシくんが悪いんでしょ!?』


「あぁ、悪い悪い、で?どうした?」


『あのさ〜、例えばね?例えばだけど、どこか体の一部が痛い時、その痛みを紛らわすにはどうしたらいい?』


「あ?そりゃ痛み止めでも飲んどきゃいいだろ?」


『それ以外は??』


「それ以外??ん〜・・・後は歯には歯を、目には目をってな感じで、痛みには痛みってとこか?」


『痛みには痛み・・・かァ・・・・よし!!!トシくん、私を殴って?』


「はぁァァァァ!!!!????何でだよ!!???」


『お願い!!!痛くして良いから!!ううん、痛くして?思いっきり痛くして良いから!だからお願い!早く!』


「(何この会話・・・他の奴に聞かれたらヤバくね?)オイオイ、お前なんでそんなに・・・」


『他の人はダメなの(バレそうで)トシくんが良いの!!だからお願い!!』





まゆこがそう言った途端、スパーン!!!!と副長室の襖が空いた
そしてそこには顔を青くした山崎の姿
その何時もは優しそうな垂れ目が鋭く土方を睨みつける



「Σ!!??お、オイ?勘違いするなよ!!??なんか会話はヤバかったけどな??別にそういう内容じゃ・・・・」


「問答無用ォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!」


「ぎゃァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!??????」





珍しく山崎にボコされた土方
山崎はボコボコになった土方を縄で縛るとまゆこの腕を引き、自室へと入って行った
そしてまゆこを自分の向かいに座らせるとまっすぐ目を見つめる





「で?まゆこ、君は副長にナニをしようとしてたのかな?」




口調は穏やかで笑っているのに、何故か恐ろしいオーラ全開の山崎にまゆこは口元を引くつかせた




『い、いや・・・別に大したことは・・』


「大した事?それはどんな事?ナニ?ナニかな?」


『なんかイントネーション可笑しくない?』


「ナニが?ナニがナニ?」


『だァァァァァ!!!!ナニナニうるさァァァい!!!!!!何勘違いしてるか知らないけど、私はトシくんに殴って貰おうとしてただけなんだから!!!!!』


「はァァァァ!!!??何それ!?そういうプレイ希望なの!!!!????」


『はぁ!!??プレイ!!??意味わかんない!!なんでプレイ!!??』


「え??違うの???何、じゃァただのドM?」


『違うからァァァァァ!!!!退はどういう目で私を見てんのよ!!!????』


「・・・・・・・(照)」


『なんで赤くなんのォォォォォォォ!!!????』




思いっきりまゆこが退の頭を殴ってその場は一旦収まったのであった






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