・2 (完結)
□第四十二章
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その日名無しさんは朝から万屋へと足を運んでいた
あのAOS156の成分分析が思うように行かず、銀時に頼み製薬会社へ薬の成分分析を依頼するためだった
残りの4本中1本を銀時に渡すと急ぎ足で屯所へ戻った
『サボってるのがバレるとあの人が怖いですからね』
苦笑しながらかけ足で屯所の門をくぐると目の前にはグラサンをかけたヤグザさんが・・・
『松平様!!!??』
「おー!名無しさんちゅァ〜ん!!!元気してたァ〜!!??」
屯所の前で待ち構えていたのは松平片栗虎
ガバッと名無しさんに抱きつくとその髭面を名無しさんの頬に擦りつけてきた
『ヒィィィィィ!!!止めて下さいィィィィ!!松平様ァァァァ!!!!』
「おじちゃん、名無しさんちゃんに会えなくて寂ちかったよォ〜?」
『わ、分かりましたから!!髭!髭めちゃくちゃ痛いんですけどォ!!』
「あ、わりーわりー名無しさんちゃんの白魚の肌に傷つけちゃいけねーよな〜?」
パッと名無しさんを離すと松平は手を掴みズンズン歩いていった
『あ、あの松平様?今日はどのようなご用件で起しに?お越しになると連絡頂いてませんでしたけど?』
「ん〜?そりゃオメ―名無しさんちゃんに会いにきたに決まってんじゃねーか、オジサン若い子大好きなんだぞコラ触りたいんだぞコラ」
『何自身満々に変態発言してるんですかι』
「まー冗談は置いといて」
『・・・絶対本音ですよね?ι』
「今日はお前らに良い話を持って来たんだ」
そう言うと局長室の前で足を止め、拳銃を構えた
そして何の躊躇いもなくその襖に拳銃を3発発射する
『ヒィィィィ!!何してるんですか!!??局長!?局長無事ですか?!』
慌てて襖を開けると机の下に潜り込んで震えている近藤と目があった
『局長!!お怪我無いですか!?』
「あああああなななないぞォ!?大丈夫・・・ってとっつァん!!!なんて事すんだよ!?俺死んじゃうよ?!」
「大丈夫だ、急所は狙わねぇ」
「狙わねぇって襖の向こうから撃ったよね!?俺見えてなかったよね!?急所外すとか無理じゃね?!」
「大丈夫だっつってんだろ?!心の目で見てんだよォ!!」
「心の目じゃ壁透視出来ないからァァァァ!!!一歩間違えば勲死んでたからァァァァ!!!」
「良いから早くトシと総悟を呼べ。大事な話がある」
「え?大事な?」
「早くしないよオジサン撃っちゃうよ〜?」
その言葉に近藤は慌てて部屋の端に置いてある館内放送用のマイクの電源をONにして叫んだ
「緊急事態緊急事態!!トシィィィィ!!総悟ォォォォォ!!!助けてェぇェ!!勲死ぬぅぅぅぅぅ!!!!」
その何とも情けない叫びに名無しさんは近藤からマイクを取り上げると代わりに放送した
『副長土方さん、一番隊隊長沖田さんは速やかに局長室までお越しください、繰り返します。副長土方さん、一番隊隊長沖田さんは速やかに局長室までお越し下さい』
その放送から数秒で局長室の襖は開かれた
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