・2 (完結)

□第四十一章
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「ほら名無しさんいきますぜィ?」



見回りの時間、なぜか私の首には首輪が付いておりその鎖の先を総悟が掴んでおります

何故こんな状況になったかと言うと
先程居間でついつい総悟の腕枕で寝てしまって気が付いたらこれですよ



あぁ・・・総悟の優しさ(腕枕)を信じた私が馬鹿でした




そんな状況で廊下を歩いていると土方さんに出くわしました
あ。そんな憐れむような目で見ないで下さい
泣けてきますから





「・・・・・・・お前ら何やってんだよι」



「これから雌豚の散歩の時間なんでさァ」



「何人の女捕まえてとんでもねー事してくれちゃってんのォォォォ!!??」



『あぅ・・・土方しゃん・・・たしゅけ・・』



「こう雨続きじゃやる気も起きなかったんでねィ。やる気を奮い立たせてみやした!!」



「奮い立たせ方もっと考えろォォォォォ!!!名無しさん見てみろ!半泣きだぞォ!?」



「泣くほど嬉しいんですかィ?ドMですねィ」



『悲しくて泣いてるんですぅぅぅ!!!!』




そんなこんなで何とか土方さんに首輪を外してもらいました
あの総悟の残念そうな顔・・・とても腹が立ちました









「あーァ。折角の首輪ぶった斬りやがって土方の野郎」




かなり不機嫌モードの総悟が運転しながら何かブツブツ言ってます
これは無視に限りますね
無視です




「何シカトぶっこいてんでィ」




『・・・・・・・』



「雨の中放り出しませぜィ?」



『あー本当にヤな天気ですねー』




あーもう本当になんでこんな日に総悟と同じ見回りなんですかね!?
更に気分が凹みます




「今日は見回りなんて気分じゃねーや。どっかで休んでいきましょィ」




そう言うとギュギャギャギャギャと車をUターンさせ来た道を戻り始めた




『ぎゃっぎゃっぎゃ!!そ、総悟!?何処行くんですか?!』




その勢いに名無しさんは必死にシートベルトにしがみ付く




「良いとこに連れてってやりまさァ」




ニタリではなく、ニコリと笑う沖田に名無しさんは目を丸くする




そうやって笑うと可愛いんですけどね




クスクスと笑う名無しさんに沖田もほほ笑みながら車を飛ばした








着いた先はプラネタリューム




「お天道様は拝めませんけどお星さまならここで拝めますからねィ」




そう言って名無しさんに手を握ると一緒に中へ入って行った

平日で雨と言う事もあり、中はガラガラ
席も選び放題
2人が座るとすぐプラネタリュームが開演した






目の前に広がる沢山の星たちに名無しさんはほぅっと息を吐いた



『・・・・綺麗・・・』



「・・・作り物ですがねィ」



『でもとっても素敵』



うっとりと星を眺める名無しさんの横顔を沖田は満足そうに眺めた







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