・2 (完結)
□第三十九章
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土方の部屋に着くと何度もリプレイで繰り返される良く分からんアニメ
名無しさんはそれをボーと眺めながら廃人と化していた
「ヤバい!名無しさんちゃんが死にそうです!」
「なかなか名無しさんのあんな顔見れやせんですぜィ。傑作でさァ」
「ちょっと何楽しんじゃってんの!?この子ォォォ!!」
副長室の屋根裏にて、暖かく(?)見守る3人の影
一人は確実に楽しんでいる
あー・・・・
トッシーさんがなんか力説してます
もぅ、貴方のマヨラーニコ中でも十分なキャラインパクトあるのに、さらにヘタレオタクですか・・・・
どんだけ濃いキャラなんですか
マヨについて語るひじかたさんをウザいと思ってましたが、あれは序の口だったんですね
だって、ほら、今アニメについて語る貴方を私は殺してしまいそうですモン・・・
一時停止ボタンを押したり、スロー再生をしたりしてこの画面の少女がどれだけ凄いのかを語るトッシー
ソレを聞き流す形でボヘーっとしていると
トッシーの声が止まった
「・・・・・・つまらないでござるか?」
先程までの力説していた態度とは打って変わりボソボソと話す姿はまるでヘタレ
名無しさんは慌てて首を振るとトッシーは困ったように笑った
「分かってるでござるよ、十四郎と一緒の方がいい顔で笑うから」
そう言うと名無しさんの隣に腰を下ろした
「僕、今まで二次元の子しか好きになった事なかったから、どう名無しさんたんに接して良いかもわからないんです」
今にも泣きそうな彼の顔に手を添える
するとトッシーはビックっと体を震わした
『貴方も私を好きになってくれるの
?』
「当たり前でござる!!名無しさんたんが一番好きでござる!!!」
名無しさんたん?
と思いながらも名無しさんは少し嬉しく頬を染めた
たとえどんな貴方になっても私を好きでいてくれるんですね
兵器でドールの私を受け入れてくれたように
ならば、私もどんな貴方でも受け入れ・・・
「トモエちゃんより、中華少女パパイヤちゃんよりなにより好きでござる!!!」
られませんンンンン!!!!
何言ってるのかまったく分かりませんンンン!!!!
「十四郎が言ってたでござる・・・名無しさんたん相手なら必ず僕はオタクを卒業出来るって・・・だから十四郎には悪いけど僕出て来てしまったでござるよ」
頬に置かれた名無しさんの手を握りしめると
トッシーはそのまま顔を近づけてきた
唇を尖らせ、鼻息は激しく荒い
これから何をされるのか分かってしまった名無しさんは顔面蒼白でトッシーの股間を思い切り蹴り上げた
『ソレは無理ィィィィィィィ!!!!!!』
「ぐはァァ!!凄い威力!さながらDrスランプあられちゃんの如く・・・」
『私は土方さんの全てに惚れました!!だからトッシーとなった貴方も受け入れたく思います!!でも、そういうことは土方さんとしか出来ません!!外見だけが土方さんでも今中身が違う貴方とはキスする事は出来ません!!!!』
ガバっと立ち上がり悶え苦しむトッシーに一喝すると部屋をあとにしようとした
「十四郎は・・・愛されてるのだな・・・」
背中から聞こえる声に名無しさんは振り返る
「でも、僕の方が君を愛してる。十四郎の分も・・・僕の分の愛があるのだからね」
『トッシーさん・・・』
2人の視線が絡まった時
携帯が鳴り響いた
『・・・はい、もしもし名無しさんです』
"あ、名無しさんちゃん?今攘夷志士達のアジトを発見したんだけど副長と沖田隊長連れて増援にこれるかな?"
その言葉にチラッとトッシーを見る
『分かりました、すぐ増援部隊をつくって向かいます、場所はメールでお願いします』
それだけ言うと携帯をしまい
トッシーのジージャンに手を掛けた
『トッシーさん、攘夷志士のアジトが見つかりました増援に行きますから隊服に着替えて下さい、ちなみに屋根裏に潜んでる3人も行きますよ!!!』
(((あ、ばれてたのね?)))
「あばばばば、でも、僕、闘いなんて無理でござる!!」
『貴方がいる、いないで隊士たちの士気が変わります。それに、絶対私がお守りしますから安心して下さい』
優しく微笑みかけるとトッシーは顔を真っ赤にして慌てふためいた
「え?でもちょっと、まって、きゃっ!名無しさんたん脱がさないでぇ〜!!」
『なに女みたいな声出してるんですかァァァ!!』
「だって裸なんててれるでござるぅ〜!!」
『キモっ!!!大体上半身だけ脱がしてるでしょ!!ゴタゴタ言わずにさっさと着替えて下さい!!』
「それでもやっぱり恥ずかし・・」
『土方さんの裸なんか見慣れてます!!早くして下さい!!!』
「名無しさんたん・・・大胆////」
『いい加減にしてくださいィィィィィィィィ!!!!!!』
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