・2 (完結)

□第三十八章
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「ダメだダメだダメだ!!なんで今さらラボなんか行くんだよ!?」



怒鳴り散らす土方
それをどうどうと近藤が押さえる



「まぁトシの言ってる事も分かる、なんで今さらラボなんかに行くんだ?」




近藤の問いに名無しさんは味噌汁を啜りながら




『忘れ物してた事に気が付いたんです』



と答えた



「その忘れ物を取りに行くと?」



『はい』



「何を忘れたんでィ?」



『風邪薬ですよ、前に一回風邪かかった時やっぱ人間用の風邪薬はあまり効かなかったので、ちゃんと私に合う用のを取りに行こうかな〜って』




「ラボの場所知ってたの?前は知らないって・・・」



『銀兄に依頼して調べてもらってたんです、今朝見つけたって電話があったので行こうかと・・・』





その言葉に全員が黙り込む
以前、ラボの生き残りに危険な目にあわされたばかりなので、どうしてもOKを出す事に躊躇する




『大丈夫ですよ?ラボの人間は全員死んでるんです、危険なことなんて何もないですから!』




それでもう〜んと唸る4人





・・・・まぁ、心配してくれてるんですよね
私なんかのために
本当、暖かい人たちです





名無しさんは真剣な表情で悩む4人に微笑むとピンと人差し指を突きたてた



『なら誰かお供に付けるのではどうでしょう?』


「もも太郎か、お前は・・・」




はぁ、と額に手をあて溜息をする土方




「俺が行きたいのは山々なんだが今日は上に呼ばれてっからな・・・明日じゃダメなのか?」


『そうですね・・・出来れば今日行きたいので・・・』


「なら俺が行きます!」


『え?でも退くん今日侵入する日じゃないんですか?』


「侵入じゃなくて、潜入うぅぅ!!!そこ間違えないでェェェェ!!!」


『ごめんごめん、んで潜入調査はどうするんですか?』


「う・・・大丈夫!なんとかする!!」


『皆さん仕事があるのは重々承知なんです、無理しないで下さい。それに、それに銀兄を連れて行きますから!!』




その提案に土方のみが猛反対をした、が、他の皆は旦那なら・・・という雰囲気を出してくれた



それに安堵に溜息を吐くと今だ怒り心頭の土方に向き合った




『そんな心配しないで大丈夫ですよ?ちょっと風邪薬取りに行くだけなんですから!』



土方の手をキュッと掴みニコリと笑うと、顔を真っ赤にさせてソッポを向かれた
そして掴まれていない手で煙草を取り出すとジュッっと火を付けた

そして大きく煙を吸い、ブハ―っとため息と共に吐くと




「門限6時」




とお母さんみたいな発言をした
それに目を丸くさせたが、プッと笑うと「分かりました」と返事をして手を離した



「門限6時って・・・そんな厳しいと子供は反抗して不良になりなすぜィ?土方クソババア」



「なんだよクソババアって!?俺は母ちゃんか!?」



「俺の母ちゃんが土方さんなら俺は生まれた瞬間からグレますねィ」


「テメーなんぞ誰が生むかァァァ!!!!!」







土方の怒号が飛び交う中、名無しさんは誰も聞こえないような小さな声で








『皆とずっと一緒に居たいから・・・がんばりますね』









と、呟いた







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