・2 (完結)
□第三十七章
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「あ、今日の夕飯はトンカツかァ〜!」
『ん〜♪トメさんのご飯は何時も美味しいです〜♪』
山崎と一緒に食堂に来た名無しさんはトンカツを口いっぱいに頬張った
そこに近藤がトレーを持ってやってきた
「お、名無しさんちゃん!首尾はどうだ?」
『局長!今のとこ順調ですよ!』
「あとは明日になるまでのお楽しみでよね〜?」
『ね〜♪』
山崎と名無しさんはお互いに「ね〜」っと言って首を傾げた
「え〜何その可愛い仕草ぁ〜!!勲も混ぜて〜混ぜて〜!!」
「え、ヤですよ。局長がやってもキモイだけだから」
『右に同じく』
「ヒドっ!!やってみなくちゃ分んないじゃん!今キモカワが流行ってるんだもん!!」
『私たちの間では流行ってませんから』
「むしろアンタのどこに”キモカワ”の可愛いが入ってるのか不明です」
「ぐふっ・・・今日俺も一緒に行けば良かった、そしたら一緒にキモカワチームに入れたのに」
『いや、誰がキモカワチームですか』
「大丈夫ですよ局長、アンタは世界一のキモイ物ですから」
「ザキィィィィィィィ!!!!泣いちゃうよォォォォォ!!??」
「『泣いてもいいんで、端っこで泣いて下さい』」
ぴしゃりと言い放つと山崎と名無しさんはオカズ交換を始めた
「・・・・疎外感・・・グスっ」
「トンカツはあげないよ?ポテトサラダいる?」
『いる!ってゆーかトンカツ2切れあげます』
「いーの?じゃぁ遠慮なく」
「よし!じゃぁお父さんが名無しさんちゃんにプチトマトを・・・」
『いりません』
「・・・・・・・しくしくしく」
「何やってるんですかィ?ゴリラが泣いてるじゃねーか」
『お疲れ様です総悟、ちょっと虐めちゃいまして』
「何年下に泣かされてんでィ?しっかりしなせェ近藤さん」
「・・うぅっ・・総悟・・プチトマトいる?」
「いらねぇでさァ」
「あぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!」
「うわっ!米粒飛んできたァ!局長ちょっと口閉じて!!」
もうぐちゃぐちゃに成っていく名無しさんたちのテーブルの上
名無しさんは自分のトレーに近藤から飛んでくる米粒が入らない様に自分の膝の上に乗せると淡々とと食べ始めた
なぜなら、近藤の後ろに鬼の様な形相のトメさんが見えたから
「アンタらもぅ少し静かに食べなさァァァァい ィィィィ!!!!!!!!!!!」
ゴンゴンと近藤たちの頭に落ちる拳
もちろん名無しさんの上にも落ちた
『・・・あぅ・・・今日はめちゃくちゃ痛かったですね・・・』
頭に出来たタンコブを擦りながら味噌汁を啜る
「本当ですぜィ、つーか俺まで巻き込みやがって」
「いや、アンタも参戦してましたよね!?」
「うるせ―ですぜィ?お前もトンカツみたいにカラッと揚げてやろうかィ?」
「ヒィィィ!!その黒笑止めて下さいィィィィ!!」
『っちょっ!退くん煩い!!またトメさんに殴られるぅぅ!!!』
「・・・・ところでさ、トシの誕生日プレゼント何買ったの?」
一人黙々と食べていた近藤が話を変えてくれた
それに沖田は「あーそーでしたねィ」と軽く相槌を打つと山崎の皿からトンカツをひと切れ奪って口に入れた
「あ!」
「なんか文句ありますかィ?」
ニタリと笑う沖田に山崎は冷や汗が噴き出る
『土方さんのプレゼントは明日作るんですよ♪』
「手作り?」
『いえ、もぅ作ってあるものなんですけど・・・ちょっと手を加えるんです♪明日局長にも総悟にも手伝って貰いますから覚悟しといて下さいね』
「土方コノヤローの為に働くんですかィ?胸糞わり―でさァ」
『・・・お団子奢ります』
「30分だけですぜィ?」
ワイワイと土方誕生日パーティーの話が進んでいる時、食堂に入ってくる真っ黒い人影に名無しさんはピクっとする
『(コソ)いいですか?皆さんこの事は土方さんには内緒ですよ?いいですか?シ―ですよ?』
人差し指を立ててシ―っとする名無しさんに3人は悶絶する
(((何この子ォォ!!その仕草可愛いんですけどォォォ!!??)))
そんな3人を放って名無しさんはトレーを持ち立ちあがった
『土方さん、お疲れ様です!みんなアソコで食べてますよ』
「おォお疲れさん、お前はもう食ったのか?」
『はい、ちょっと仕事が残ってるのでお先に失礼しますね』
ニコリと笑いそう言うと名無しさんは小走りで食堂を後にした
向かうは台所
自室からピンクのエプロンを取ってくるとキュッと細い腰に巻き気合いを入れた
・・・・料理なんてした事ないですから・・ちょっと心配ですけど・・・頑張りますか!!!
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