紅天女

□第十章
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『あ。ゴリラだ・・・・・。』




今、私の目の前に電柱に登ったゴリラが居る。




動物園から逃げ出して来たのかな?あれ?でも良く見たらうちの隊服なんか着てるよ。


・・・・・・・・・・んΣ!!!!?




『きょ、局長!!!!?』




なんと私の目の前のゴリラは局長でした。



『きょ、局長!何してるんですか!!危ないですから降りて来て下さい!!』


「お〜!名無しさんちゃんか!今、とある女性を警護中・・・・・グハっΣ!!!!!」


『きょ、局長ー!!!!?』



どこからか飛んで来た灰皿が局長の顔面にヒットし、そのままゴリラが地面に落下してきた。

白眼をむいて倒れている局長に駆け寄ろうとすると向かいの家の門が開き、綺麗な女性と眼鏡の子が立っていた。




「いい加減にしろや、ストーカーゴリラ!」





手に薙刀を持った女性がどす黒い笑みで笑っている。


(瞳孔副長なみに怖っ!!!)


だが、それは一瞬で。


名無しさんに気が付くと優しい笑みを向けてきた。



「あら!その制服は・・・真選組の方?」


女性は顎に手を当て、マジマジと名無しさんwを見る。



『は、はい!最近入隊しました名無しさん名無しさんと申します!!』


「そう!女性の隊士さんなんて初めて見るわ!私、お妙って言います。よろしくね。」


「ぼぼぼ僕、新八です!!、名無しさんさん!!かかか可愛いですね!!!//////」



真っ赤になりドモリまくりの新八に苦笑してると、お妙がスッと薙刀を近藤の首に当てた。



『お、お妙さん!!??何してるんですか!!?』


「姉上落ち着いてェェェェェ!!!」


慌てて薙刀の柄に手を掛ける。


「名無しさんちゃん?これはゴリラなの。有害な。駆除するのが市民の務めよ?」


(にっこり笑う顔がめちゃくちゃ怖いんですけど!!!??つーか、局長、アンタこの人に何したんですか!!!?)



『大変申し訳ないですが、ゴリラでも一応うちの局長なので勘弁して頂けないでしょうか???!!』



少し考える風な様子をしてからニッコリ笑い薙刀をしまってくれた。




「なら、お願いがあるんだけど?聞いてくれるかしら?」



お願いと言うには余りにも威圧的な笑顔に、脅しでは?と思いながらも必死に頭を上下に振った。


「今日、私のお店がね、ちょっと人で不足なの。だから一時間だけでも良いから手伝ってもらえないかしら?」


『お店?ですか?』


「そう。お・み・せ♪可愛い名無しさんちゃんがいてくれたら凄い助かっちゃうわ!」


『・・・・お手伝いしたら、局長を見逃してくれますか?』


「えぇ。"今日は"・・・・・ね?」



(今日殺らなくても、いつか殺るつもりなんだ・・・・ι)





兎に角、今日無事ならと思い、渋々お妙の条件を飲んでその場を後にした。








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