紅天女

□第四章
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ズルズル引きずられ、所変わって真選組の道場。


目の前には木刀を構える近藤、土方、沖田の姿。


山崎から一本の木刀が名無しさんに渡される。



「では入隊試験を始めます。審判は俺、山崎が務めさせていただきます。では初め!」



意味が分からず、まともに構えもしていないのに目の前の3人が一斉に動きだす。



「先手必勝でさァ!!」



慌てて沖田の一撃を頭の上で受け止めたが、その力に耐えきれず後ろに倒れてしまった。



「何してるんでィ」



先程の俊敏な動きを全く感じさせない名無しさんに目を丸くしている。


倒れた時にぶつけた頭を擦りながら名無しさんは涙目で起き上がった。



「てめぇ何してんだ!手抜いてっとたたっ切るぞ!」


瞳孔3倍増しに開いて睨みつける土方。
木刀でたたっ切るって・・・・
と思いながら少し肌蹴た胸元を直す。



『・・・先程も言いましたが。私は兵器何です』




「あ゛あ゛!?だから何だよ!だったら真面目にやりやがれ!!」




『・・・・どんな兵器にもそれを動かすスイッチがあります。私にもスイッチがあります。それをしないと私は強くありません。』



名無しさんの発言に4人はポカンと口を開けた。




「じゃぁ名無しさんの体にスイッチが付いてるんですかィ?」



まじまじと面白そうに体を眺める。




「なら俺が押してやりまさァ♪」



ジリっと近寄る沖田に額に手を当て溜息を吐いた。




『押すものではないんです。と言うか、これを人に見られるのは嫌なので申し訳ないですが皆さん私が良いと言うまで目を瞑っていてもらえませんか?』



有無を言わせぬ表情に渋々4人は目を閉じた。
一人だけなんかブツブツ言ってたが。




「てめぇ、目つぶってる間に変な事するんじゃねーぞ!」




しませんよ!と一言発し、静かに山崎に近づいた。

そして彼の腰の刀を少しだけソッと抜き、そこに人差し指を当てた。



「・・・っ・・・」



ポタと鮮血が一滴床に落ちる。
まだ滴るその血をペロリと舐めゆっくり刀を鞘に戻した。



(あれ?今刀触られた?)



つい我慢できなくなった山崎がうっすら目を開けると、人差し指から流れている血を舐めている名無しさんの姿が目の前にあった。



「っ!!!」



なにしてるの!?と、思わず声を上げそうになったのを名無しさんのケガをしていない方の人差し指によって止められる。

先程の幼い表情の彼女とは打って変わって、妖艶ともいえる彼女の笑みに山崎は顔を赤め体を硬直させた。





『もう目を開けて頂いて構いません。』



指の血を綺麗に舐め取り、名無しさんが声を掛けた。








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