紅天女

□第三章
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腕の傷を山崎に再度手当され、女は手錠を掛けられたまま椅子に座らされた。

目の前には瞳孔開きっぱなしの土方。

脇には書記係になった山崎。

部屋のドア前には近藤、沖田が刀に手を掛け見張っていた。




(逃げられない・・・・)




この状態になってから、かれこれ30分は経過しているだろうか。
何を聞いても口を割らない女に土方は最高潮に苛々していた。




「おい、いい加減に何か言いやがれ!」


バン!と机を叩くと女ではなく山崎がビクっと震えあがった。


「ザキ!!!何てめぇがビクついてやがる!!」


「はいっ!!すいません!!!!」



土方は、はぁとため息を1つ吐くと自分を落ち着かせるために煙草に火を付けた。



『・・・・私は何も話す気はありません。』



そう言って、顔を少し俯けた時、女の長い髪が項を割って前に垂れた。
その項に何かがあるのを山崎は視界に捉えた。



「あれ?首の何?」


山崎が項の何かを触ろうと手を伸ばした時
女の顔に激しい動揺が走った。



『っ!!やめて!!!触らないで!!!!』



バッと体を山崎から離し、鋭い目つきで睨んだ。
明らかに動揺している。
土方は二ヤリと口角を上げると沖田と山崎に目線を送った。




バンっ。




沖田と山崎が、手を拘束され抵抗出来ない女を机の上にうつ伏せ状態で押し付ける。



『お願い!お願いだから見ないで!!!』


女の悲痛な叫びも虚しく、土方は項の髪を掻きわけた。









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