繊月の猫(完結)

□Chapter 17
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『はぁ、はぁ・・・はぁ、はぁ』



息も絶え絶え真選組の追ってから逃げてきた麻裕子
逃げ回っているうちに、いつの間にか万事屋の裏まで来ていた
乱れる呼吸を落ち着けるためにその場に蹲る


どうやらそこはゴミ捨て場の様でポリバケツやら雑誌やらが束ねて置いてあった





ヴィーは上手く逃げたかしら?




そう思いながら未だ乱れる呼吸
少しでも呼吸を楽にしようと口布とフードを取った時、後ろから声が掛かった






「・・・・・・麻裕子?」




その声にバッと振り返れば、雑誌の束をもった銀時の姿
血まみれの自分の姿を見て目を丸くしている



面倒臭い人に見つかった・・・



そう思いながらその場を離れようとした時、その腕を掴まれた



「麻裕子だよな?どうしたんだよ、血まみれで・・・まさか怪我してんのか!?」



麻裕子の腕を掴んだ銀時の手にも血が付く
麻裕子は観念したように振り返ると少し困ったように笑った




『全部返り血だから・・・大丈夫』



そういった彼女があまりに銀時の目には儚く写り、その腕を引き寄せて己の腕の中に閉じ込めた


『っちょ、銀さん?血が付いちゃいますよ?』


「別に構やしねェ・・・それよりどうしてこんな格好なんだよ?俺心臓止まるかとおもったぞ」



『・・・すみません・・ちょっと事情が・・・』



そう言う彼女を銀時は真っ直ぐ見ると、ヒョイッとその体を抱えた
そして抵抗する麻裕子を余所にそのまま万事屋へと戻って行った




「そんな格好で外歩けねェだろ?うちで風呂でも入っていけ・・・んでそれ、血まみれだから洗濯すっから、乾くまでうちにいろ。な?」



それに麻裕子は返答に困っていたのだが、有無を言わさず服のままシャワーをかけられてしまい仕方なくお風呂を借りることにした








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