繊月の猫(完結)

□Chapter 6
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あれから一週間
その一週間の間に俺ら真選組は2回も奴、黒猫に先を越されていた

アジトに乗り込むとすでにそこは血の海で
それを嘲笑いながら黒猫は暗闇に溶けていく




「・・くそっ!!やってらんねェよ!!」



俺は出されたコーヒーに口を付けながら怒りを撒き散らした



「まぁまぁ、あんま怒ってると血圧上がって死にますぜ?土方さん、だからそのまま血管爆発して死んじまってください土方さん」


「"だから"の意味が分かんねェよ総悟」


「ん〜こうなったら猫の大好物の鰹節でおびき寄せるか?」


「・・・近藤さん、もちっと真面目に頭を働かせてくれ」


「どこかで俺らの情報が漏れてるんでしょうか?」


「はぁ?一体どこで漏れてるっていうんでさァ?」


「・・・・局長、アンタキャバクラとかで作戦言いふらしたりしてないですよね?」


「え?!何?!ザキは俺の事疑ってんの?!ヒドっ!俺だって流石にそんな事はしないぞ!!モテたいからって明日決戦です、最後にあなたに愛を囁きに来ました。なんて言ってないよ!?」


「・・・ほぼ言ってんじゃねェか」




近藤、土方、沖田、山崎の4人は麻裕子の店aphroditeの一番奥のソファ席で会議中
屯所でやれよ、ってとこですが、どうせなら美味いコーヒー飲みながら会議をしたい!と言う近藤の我儘で店を貸し切りにしてもらったのだ

4人がコーヒーを飲みながら話し合っていると、そこへ焼き菓子を持った麻裕子が現れた
皿に並べられた焼きたてのマフィン
それをテーブルに置くと話の邪魔にならない様にカウンターへ戻ろうとした



その足は土方の声で止められた



「誰もいねェんだし、アンタも一緒に茶飲めよ」


またも命令形
その返答に困っていると近藤も土方の意見に乗って「一緒にお話ししよ〜!」と言ってきた

お前ら会議してんじゃねェのかよ!?と言う山崎の冷たい視線が2人を刺したのは言うまでも無い



『・・・じゃぁ、お言葉に甘えて・・・』




そういうと麻裕子は自分の分の紅茶を入れて土方の隣に座った




「アンタがこの店のオーナーさんですかィ?」



目の前の栗色の髪の沖田が言う



『あ、はい!麻裕子と申します!えっと・・・』


「沖田総悟っていいやす、総悟って呼んでくだせぇ」


『あ、総悟さんですか、一番隊隊長さんなんですよね?』


「知ってるんですかィ?」


『あ、皆さんからお話は聞いてましたから』



そういうと麻裕子はニコリと沖田に笑みを向けた
それに沖田もニヤリと笑うとコーヒーを啜る







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