Love Hunter(完結)
□其の八
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今日は久々の非番
朝から洗濯も朝食作りも掃除も何もしないでいいなんて最高です
でもだからといって屯所の自室でゴロゴロしてる訳には行きません
何故かって?
そりゃ屯所にいたらあのストーカーバカがやってくるからですよ!!!
そんな訳で今日の非番は街に出る事にしました
もとは田舎育ちの私には歌舞伎町の町はあまりに華やかで・・・ただ歩いているだけでも心ワクワクドキドキしてしまいます
でもただ歩いているだけなんてもったいないからちゃんと店にも入るんだけど
って思ってたら物凄い可愛い着物を見つけました!!!
ビビットカラーの黄色に何色もの色を使った蝶の模様
そしてところどころ金の刺繍を施している一枚の着物
これは運命的出会いいィ!!!??
絶対買いたい!!と思って手に取ったんだけど・・・そうそう運命は安く手に入らない
『くそォ〜・・・コレ買ったら当分素寒貧になっちゃうι』
結局運命とはお別れ
自分の財布の中身で運命が変わっちゃうなんて・・・情けない
少ししょぼくれながらも他に何か良い物はないかと街の中を散策
楽しい時間はあっと言う間に過ぎて時刻は夕方
流石に帰らないと夕飯食いっぱぐれるな、と思い夕やけの中一人で屯所へと戻る
・・・と、言うか・・・今日は山崎さんに会いませんでしたね?珍しく真面目に仕事してるんでしょうか?何時もはどこからともなく現れてべたべたしてくるのに・・・
あーでも山崎さんが現れないお陰で結構有意義な休日になったなァー
よかったよかった!!!!
屯所の食堂で夕飯も食べ終わり、何時ものようにお風呂に入ろうと変えの下着や着物を取るべく箪笥を開けてみると、そこには見慣れない着物の柄
けれども
それは今日、何度も何度も食い入るように見た柄
『・・・・・え??』
思わずそれを手に取り広げて見ると案の定、昼間着物屋さんで一目ぼれした運命の一着
『・・な、んで??どうしてこれが???』
訳が分からず、自分が無意識に万引きでもしてきたか?!と思っているといきなり後ろから声がかかった
「まゆこ♪」
みれば何時ものストーカー山崎
普段なら此処で一つ嫌な顔をするのだが、今そんな余裕はない
『や、山崎さん!?』
「あー、ソレ気に言ってくれたァー??」
ニコニコしながら私が持っている着物を指差す優男
それに私は「え?」と目を丸くした
「今日ね、街でこれを真剣に見つめるまゆこを見かけてね?欲しかったのかな〜?って思って買っておいたんだ!」
『・・・・・・・・』
ニコニコ嬉しそうな山崎さん
あぁ、何でしょう
何時もははり倒したくなる笑みですが、今日は後光が差して見えますよ!!!
『山崎さん・・・めちゃくちゃ嬉しいですぅぅぅぅぅ!!!!!』
こんな時ぐらいめいいっぱい褒めてやろう
この男がこんなに気の利く事をしてくれたんだから
そう思い全身で喜びを表しているとプチュッと唇に柔らかい感触
そして視界いっぱいに山崎さんの地味顔
「お礼はこれでいいよー♪」
『・・・・・・・・・』
まぁ、あの値段の物を買ってもらったんだし・
・チューぐらいいか。
ガンジス川より、アフリカのサバンナより広い心で山崎さんの行為を許してあげた私
けれども
それが間違いだった
「チュー嫌がんなかったね♪じゃぁ今日あたり俺の、○○○入れるのも許してくれる!!??」
『そこまで許すかボケェェェェェェェェ!!!!!!!!』
ボコボコの山崎さんを余所目に綺麗に着物を畳む私
運命の一着は今度の休みにでも着よーっと♪
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