Love Hunter(完結)

□其の五
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今日、鍵を2つに増やしました
南京錠じゃなくてダイヤル式のやつ
だから合いカギなんかも作れない
番号は私のみ知る


これでストーカーも入っては来れないだろう!!!


でも念のため私はこの日、自分の部屋を張る事にした
風呂の用意を持って部屋を出る
でも足は風呂場には行かず、廊下の角で止まる
そして自分の部屋の入口を見張った


気分は探偵
黒いハットでもかぶれば良かった


そんな事を思っていると何処からともなく山崎さんの姿
山崎さんは私の部屋の前まで来ると「まゆこ〜?」と声をかけた
でも中から返事がないと分かるとすぐ部屋を後にする





あれ?
意外にあっさり・・・・
鍵を開けようと四苦八苦するのかと思いきや・・・
帰って行かれましたよ!!!




流石に鍵2つも付いてたら入るのをためらうのかな?そう思って風呂場に行こうとしたら私の部屋から物音が聞こえました




『・・・・・部屋の中から?』



今は誰もいない筈
まして山崎さんは私の部屋に入るのを諦めた筈
なのに誰かいるの?!

若干不審者がいるかもしれない、と恐怖心はあったが・・・・私は鍵を開けると勢い良く扉を開いた


















「あ、まゆこお帰り〜♪早かったね!」



何故か部屋の中にはニコニコと笑いながら私の布団を敷いている山崎さん






だからなんでいんのォォォォォォォォォ!!!!!?????





『や、山崎さん!!!???な、なんで!?帰ったんじゃ・・・』


「え?あぁ・・まゆこ見てたの?なら声かけてよ〜」


『いや、そう言う問題じゃなくて・・・一体どうやって此処に入ったんですか!?』


「んふふふ〜♪それは企業秘密♪」




人差し指を口に当ててニッコリほほ笑む山崎さん

いや、可愛くないし
むしろ怖いし
何故に!?
マジでどうやって入ってきたの?!



「あれ?まゆこお風呂入って来てないの?」


『え、あ、はい。部屋から物音がしたので・・・』


「それでビックリして帰ってきたの??馬鹿だな〜まゆこの部屋に入ってくるのは俺以外いないでしょ?」


『えェ、全くその通りです』


「あ、でも万が一他の男が侵入でもしてきたら俺に言って!!始末してやるから!!!」


『じゃぁ自分で自分を刺して下さい、その刀で』


「え?なんで?刀刺すなら、まゆこに俺の太いのをさしてあげるよ♪」


『・・・・・粗チンのくせに』


「ヒド!!!じゃぁ試してみる!?そんな粗末なもんじゃないよ!!」


『ギャァァァァァァァ!!!!!出すな!!!マジで出さないでェェェェェ!!!!!!』




ベルトをカチャカチャと外し始める山崎さんに全身の鳥肌が立ちましたよ
こんな経験初めてです
大人しくベルトを直して布団の上に座る山崎さん
その目の前に私も正座で座るとなんか嬉しそうにニコニコしてます
ストーカー行為が無ければいい人なんですけどね・・・




『あの、山崎さん?』


「なに?」


『なんで毎晩毎晩私の部屋に来るんですか?』


「そりゃまゆこと一緒にいたいから」


『・・・・・・』


「まゆこは俺と一緒にいたくないの?」



えェ!いたくないですよ!!!



って言いたかったのに・・・
そんな顔するなんてズルイじゃないですか
なんですか、その捨てられた子犬みたいな目は!!なんか私が外道みたいじゃないですか!!



私は盛大に溜息を吐くと聞きたかった事を聞いてみた





『そんなに私が好きですか?』




その質問に目をぱちくりさせる山崎さん
そして盛大級並みの笑顔をして




「大好き!!!!」




なんて言うから
ちょっと・・・嬉しかったりするじゃねェか・・・
可愛いとか思ったりするじゃねェか




なんだかんだ言って、私も甘いのかな〜?





『・・・・分かりました。』


「ん?」


『この部屋で寝る事は許してあげます』


「本当!?」


『その代わり!!!』


「はい」


『一緒の布団で寝るのはダメです!!自分の部屋から布団を持ってくるなら・・・・その・・・この部屋で寝てもいいですよ?』




あぁ・・・甘い
天心甘栗より、角砂糖より甘いかも




「分かった!!!すぐ持ってくる!!!!!」




でもさ
なんか
許しちゃうんですよね・・・
あの笑顔見てたら・・・



浸食されていく
少しづつ
あなたを受け入れそうで
ストーカーなのに
変態なのに
あの顔は卑怯ですよ?山崎さん















「まゆこ〜!YES,NO枕持ってきた〜♪」


『NOのみ枕でお願いします』


「何それ!?そんなの無いよ!!!」






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