Love Hunter(完結)

□其の四
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『聞いてますか副長!!!!』


「おー・・・聞いてる聞いてる」





副長は私の前で呑気に煙草をふかしている
本当に私の話聞いてんのかこのマヨラーは!!!!




『兎に角!山崎さんをどうにかして下さい!!!!これ以上ストーカー行為をするようであれば被害届だしますよ!!??』



「まァ・・・そー構えんな」



『構えんな!!???構えてなかったらあっという間に食べられちゃいますよ!!!』



「しかしなァ〜・・・今のアイツを下手に刺激できねぇんだよ」



『はぁ??なんでですか???』



「あー・・・お前がな、前に隊士らに菓子を作った事があったろ??」



『はい』



「アレに山崎が毒を盛った」



『はいいィィィィィィィィィィィ!!!!?????』





衝撃的事実だった
確かにあの次の日隊士の数人が腹痛や吐き気を訴えていた
きっと私のお菓子が悪かったんだ、と思ってみんなに必死に頭を下げたけれども、みんな「まゆこちゃんのせいじゃないんだよ」って言ってたのはそのせいか!!!!!!


もぅ呆れて声が出ない




「だからな?下手に山崎を注意したら次は俺が殺られる番なんだよ」



『・・・・・ヘタレ』



「オイ!!!???」



『部下の尻拭いすんのが上司でしょ!!!???』



「そ、そうだけど・・・・」



『はぁ・・・本当ここの男どもは・・・』





そう言うと私は副長室をでて残っていた仕事に戻りました
丁度、ほしていた洗濯物が乾いている頃だと思って・・・
そう思い庭にでると副長室で叫び声が聞こえました




『・・・・副長の声????』




その声に副長室の方を見れば、中から山崎さんが出てきました




あ・・・・副長殺られた????



そんな事を考えているとふと山崎さんと目が合っちゃいました




やべっ!!!
うわっ!!!なんか笑ってこっち来る!!!
笑ってんのになんか凄い威圧感なんですけどォォォォォ!!!???





「まゆこ、お疲れ様。洗濯物持ってくの手伝うよ??」


『あ、お、お願いし、ます』



乾いた洗濯物を手渡すとひょいと軽くそれを持ってくれる
そう言う優しい所はいいんですけどね・・・・


山崎さんの隣を歩いて作業部屋に行くと後ろから思い切り抱きしめられた
あまりの事にビックリして固まると、その耳をべろりと舐められる
思わず「んンっ!」と変な声が出てしまった



「あれ?感じちゃった??可愛い声だね〜」


そう言ってさらに耳の穴の中に舌を入れてくる山崎さん


き、キショイ!!!
キショイです!!!
涎入って中耳炎になったらどうするんですか!!!??



抱きしめてくる腕をはがそうともがいていると更に腕が強くなった、そして低い声で耳元でしゃべられる




「副長と何話してたの?」


『え?』


「そりゃ、女中さんの上司に当たるかもだけど・・・男と2人きりになるなんて許せないな・・・ねェ、まゆこ」


耳を舐めていた舌が首筋に這う



『ひゃぅっ!』


「ん〜良い声♪」




まさかこの人は副長と2人きりだったからってだけで副長に何かしたの!?
アンタの上司でもあんでしょうが!!!!!



私は堪らず腕の中で体を回転させ、山崎さんと向かい合う形になるとニコリとほほ笑んだ
それに山崎さんもニコリと笑って「まゆこ大好き」って言うもんだから
私は思い切り右ひざを振り上げました




「Σ!!!!????」




勢い良くしゃがみ込む山崎さん
いい気味だ。そう思いながら私は作業部屋を後にした





あ、洗濯物・・・・
まァあとでいいか。



願わくば・・・・今日の夜こそ彼が部屋にいませんように・・・・








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