大江戸愛情物語(完結)

□第七訓
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『カメハメ・・・ドォォォォォン!!!!!!』


「螺旋・・・ドォォォォォン!!!!」


『飛龍昇天・・・ドォォォォォン!!!!!』


「北斗百裂・・・ドォォォォォン!!!!」








「うるせェェェェェェ!!!!!何朝っぱらから際どい必殺技の名前言い合ってんのォォォォ!!!!????」


「『あ、土方死ねドォォォォォン!!!!』」


「何がだァァァァァァ!!!!!?????」






早朝、屯所の庭で響き渡っていた必殺技のパクリ
それに寝起きの土方が寝間着のまま怒鳴りこみにやってきた




「しゃーねーでさァ、まゆこの奴が必殺技を開発してェっていうもんだから」


『だってあった方が絶対格好良いじゃん!?』


「だからって何で全部パクリ!!??」


「そうそう必殺技の名前なんか考えつきやせんぜィ?だから無難に語尾を変えて・・・」


『カメハメドォォォォン!!!!!』


「何も包み隠せてないからァァァァァ!!!」


『えー??じゃぁカメハメドグシャ!!!!とか???』


「何潰した音だよ、つーか頭丸々出たまんまじゃねェか」


「だから北斗百裂ドォォォォン!!!にしなせェ」


「それも包み隠せてねェだろ!!!??」


『む〜・・・トシくんてば煩いんだから!!』


「俺はお前為を思って言ってんだぞ!?んな必殺技使ってみろ!!俺ら抹殺されんぞ!!何かに!!」


「俺に?」


「テメーじゃねーよ!!!返り討ちにしてやらァァァァァ!!!!」


「その前に殺す、北斗百裂・・・・」


「ってそれバズーカだろォォォ!!!!!」


「ドォォォォォォォォォン!!!!!!!!」






ぴちちちと雀が爆音と共にどこかへ飛び立ってしまった
それを眺めながらまゆこは土方の残骸を掴むと、それをズルズルと引きずって屯所の中に戻って行った



『トシくん部屋に戻したら朝ご飯食べに行こうか?』


「部屋に戻す必要なんてねェでさァ、そこに置いときなせェ」



ニタリと笑う沖田にまゆこは「えー??」と声を上げ一人土方の残骸を部屋まで運んで行った













「必殺技を作りたいィ????」


『そう、なんか無いかね?退』


「いや、そんなモン作る前にやらなきゃいけない事沢山あるでしょ??」


『やらなきゃいけない事??』




パクパクとご飯を食べながらまゆこが首を傾げる
傾げながら山崎にばれないようにお皿のオカズを沖田の皿に乗っけて行く



「そう、縄抜けとか薬品調合とか・・・って自分の分のご飯ぐらいちゃんと食べなさい!」



そう言って山崎は沖田の皿に乗っかったおかずをまゆこの皿に戻した



『・・・・・そんなに食べれない・・・』


「食えなかったら食ってやりやすから食べれるだけ食いなせェ」


『ぬ〜・・・』


「兎に角、良い?必殺技よりも君は他に覚える事沢山あるんだからね?万が一誘拐でもされたら対処できないでしょ!?」


『誘拐される前に逃げるもん』


「その考えが甘いんでさァ、ここは山崎の言う事聞いて縄抜けとか練習しなせェ」


「って言いながら沖田隊長だって出来ませんよね」


「俺は捕まる前にぶっ殺しまさァ」


『だから、その考えが甘いんでしょ?ι』


「つーか、誰も必殺技なんか持ってないんだし、まゆこは普通にご飯食べて、普通に稽古して、普通に強くなりなよ」


『・・・ぬー・・分かった』




本当に分かったのか分かってないのか・・・
まゆこはモソモソとご飯を食べながら唸って返事をした





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