Sword of time-space・時空の刀(完結)

□第10話
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土方に抱えられ屯所に着くと皆が慌ただしく迎え入れてくれた




「わァっ!!麻裕子ちゃんも副長もズブ濡れじゃないですか!?副長傘持っていかなかったんですか?!」


「今、女中に頼んで風呂沸かしてやすから、暖かい茶でも飲んでなせェ」


「ほら!麻裕子ちゃん!トシ!タオル!」


「局長!それ雑巾だから!タオルこっちだから!!」


「え!?わーごめん!!間違えたァ!!」





麻裕子は3人の慌て様にポカンと口を開ける
すると土方がゆっくり麻裕子を降ろしてくれた




「こいつ等も心配してたんだよ」


『・・・・"も"?』


「・・・・・・・・」


『シロー"も"心配してくれたの?』


「・・・・・・・・・」



答える代わりに土方の顔が若干赤くなる
それを見ると麻裕子はニコリと笑った







『みんなさん、ご心配かけました!真選組零番隊隊長城戸麻裕子只今任務から帰還してまいりました!!』



























その後、麻裕子は風呂に入りパジャマを着るとそのまま自室に戻って行った
部屋の前まで行くと部屋から明かりが漏れている事に首を傾げる



・・・・あれ?電気つけっパでしたかね?




ガラリと襖を開けるとそこには土方の姿
びっくりして目を丸くしていると土方が火鉢突っつきながらスッと何かを出してきた

見ると皿に乗ったオニギリと卵焼き





「お前飯食ってなかったんだろ?この時間じゃこんなモンしか頼めなかったけど」



『・・・いえ!めちゃくちゃお腹空いてたから、助かります』




そう言うと火鉢を挟んで土方の前に座った
そしておにぎりに手を伸ばす



パクパクとおにぎりを食べて行く



その姿を土方がじっと眺める






『・・・・・・・ιそんな見られてたら食べづらいんだけど?』



「Σ!あァ!すまねー!!」



『・・・部屋戻らないの?』



「・・・・んー・・そうだな・・・」






曖昧に返事をしながら土方はまだその場所から動かない
火鉢の中から火種を拾い、それで煙草に火をつけ吸いだした

何故部屋に帰らないんだろう?と思いながらも彼が此処に居る事に居心地が悪い訳ではなかったので麻裕子はそのまま何も言わなかった







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