Sword of time-space・時空の刀(完結)

□第4話
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麻裕子が真選組に入隊して2週間がたったある日の午後
屯所内の緊急無線が鳴り響いた




内容は上田屋にて攘夷志士数十名がたむろしているというものだった
招集をかけられたのは一番隊と二番隊

その事に麻裕子は呑気に居間で団子を頬張っていると首根っこを土方に掴まれた




『ふごっ!!!何だ!?危うく串が喉に刺さるとこだったよ!?』



「テメーは緊急無線が聞こえなかったのか!?」



『はぁ?聞こえたけど・・・零番隊呼ばれなかったよね?』



「テメーはこの前の会議の内容を忘れたのかァァァァ!!??」



『えーっと?会議???』



「零番隊隊員が揃うまで、お前は俺と共に行動するって話になってただろォォォォォ!!!」



『あーそうでしたそうでした!!でもシロー呼ばれてなかったよね?』



「アホか!?副長は全ての現場に向かうんだよ!?分かったかこのボケがァ!!!」



『はぁァァ!?全部ぅぅぅぅぅ!!??』



「分かったらさっさと来い!!」



『ちょっと待って!団子全部口に詰めっから!』



「帰ってから食え!!帰ってから!!!」



口に入るだけ団子を詰めまくった麻裕子をズルズルと引きずって土方はパトカーに乗り込んだ
運転席には山崎が座っていた






「・・・・・麻裕子ちゃん、顔がハムスターみたいになってるけど・・・」




『ふぁんふぉふっふぇふふぉふぉ』



「お前は黙ってろォォォォォ!!!!」





言われるまま麻裕子はもごもご口を動かし団子を消化していった
助手席では土方が少し窓を開けて煙草を吸いだした
それに便乗して麻裕子も懐から煙草を出し咥える




「城戸、テメーはまた喫煙なんぞしやがって!」


バックミラー越しにめっちゃ開いた瞳孔を視線が合う
麻裕子はプイっと目を逸らすとカチリと煙草に火を付けた



『シローだって刀振るう前は精神統一として煙草吸うでしょ?私だって同じ、煙草を吸ってた方が集中力が増す』



「そんなセリフは20歳超えてから言いやがれ」



『そんな事言いながらも何時も見逃してくれるシローじゃんか』




その言葉に山崎がくくくっと笑うと彼に向けて飛ぶ拳

ゴン!

と音が鳴ったかと思うと山崎の頭の上にタンコブが1つ出来ていた




『退、それアイスクリームみたいだな』



「・・・・俺何も言ってないのに・・・」




ブツブツと文句も言いながらも、山崎の運転で予定より早く上田屋に到着をした









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