・2 (完結)

□第五十一章
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ここは何処だろう?



なんて暗くて寒くて怖いとこなの?








ただただ真っ暗な空間に名無しさんは一人ポツンといた






ここに来る前・・・何してたんだろ?

なんか謝ってたような?


なんで謝ってたんだろ?

なにか悪い事でもしたんですかね?








名無しさんはその暗闇を歩いていた
真っ暗すぎて上も下も右も左も何も分かんない
兎に角、ひたすら真っ直ぐ真っ直ぐ進んでいた



ふと、誰かが自分を呼んだ気がして振り向いた




でも見えるのは一面の闇のみ









気のせいですか?

・・・・でも今確かに誰かが私を呼んだ気が・・・









"名無しさん"







!!
やっぱり!!
誰かが私を呼んでます!!
何処?!
何処にいるんですか?!






"名無しさん"





真っ暗で見えない・・・
誰か居るんですか!?
いるなら助けて下さい!!
ここから出して下さい!!!




"名無しさん"







ねえ!!
姿あらわして下さい!!
ここから出して!!
お願いだから!!
ここから出してよォ!!!





"名無しさん"





も・・・ヤだ・・・

帰りたいのに・・・・
帰してよ?
私の居場所に帰してよ?






思わず膝を付き崩れ落ちる名無しさん





そんな彼女の後ろから男の声が聞こえた








「貴方の居場所は私の所ですよ?ドール」







後ろで聞こえる声にビクリとする
そしてゆっくりゆっくり振りかえると
ニヤリと口角を釣り上げて笑うミシフェルの姿








ヤ・・イヤ・・・
アソコは私の居場所じゃない!
あんな所に戻りたくない!!!



「何を言ってるんですか?もう何年も何年もラボに居るのに・・・そこが居場所じゃなければ何処が貴女の居場所だというのですか?」




ラボじゃない!
嫌だ!!
アソコに居るのはもう嫌なの!!!
私の居場所は違う!!
あなたの元じゃない!!







"名無しさん"







先程の声が名無しさんの耳に届く

その声のする方に顔を向けると
そこには自分の愛しい愛しい人の姿











土方さん!!!!







"名無しさんお前の居場所は俺の隣だ"






土方さん!!





"名無しさん帰って来い、俺達の所に、俺の隣に帰って来い"





その言葉に名無しさんはかけだした
今にも闇に溶けてしまいそうな土方の体に抱きつく






"名無しさん"






帰りたい!!土方さんの傍に帰りたい!!








抱きついてきた名無しさんを土方は優しく包み込むと土方が耳元で囁いた







"名無しさん、帰ったら結婚するぞ"







その言葉に思わず涙が零れる
胸が苦しくて苦しくて声が出ない
名無しさんは何度も何度も頭を縦に振り声を殺して泣いた










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