・2 (完結)

□第四十八章
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静かな局長室に野田の声が通る

辺りは一面血まみれ

そんな異様な光景だが近藤、土方、山崎、沖田は黙って話を聞いていた









「・・・・なるほど・・じゃぁお前は名無しさんと本当の兄弟って事か・・」



「はい」



「傭兵兵器の事も分かった、君も辛い思いをしてきたんだな」



近藤が優しい目で野田を見る
それに野田はフルフルと首を横にふった



「俺は・・・名無しさんに比べれば全然・・・」



その手は膝の上でグッと握られた



「じゃァあとは名無しさんの体の事を聞かせなせィ?あの男の言ってた事は本当ですかィ?」




沖田の鋭い視線が光る

野田はギリっと唇を噛むと静かに頷いた




それに全員が顔を歪ませ口を閉ざした













「・・・・・嘘だろ・・・・・・?」






土方がユラリと立ち上がる




「・・・・・・嘘なんだろ?」




フラフラと野田の前に歩み寄る





「嘘だって言えよォォ!!!野田ァァァァァ!!!!」





ガシっと野田の胸倉を掴み上げる
野田は抵抗する訳でもなくされるがままだ




「トシ!落ち付け!!野田にあたってどうする!?」


「副長落ち着いて!!」



「落ち着いてられるか!!!!なんでだよ!?なんでアイツが死ななきゃなんねぇんだよ?!アイツは今まで散々辛い目にあって・・・・チクショウ!!!なんで!なんで!!!」




ガグガグと野田の胸倉を掴みながら土方は狂ったように叫んだ
それを野田は悲しそうな瞳で見つめる




「アイツ・・・言ってました。死ぬ事が怖いんじゃない、皆と離れるのが怖いって・・・土方さん・・・貴方の傍に居られない事が、もう一度愛した人を失わせる事になるのが一番辛いって・・・」







ポタリと一筋


土方の目から涙がこぼれた







なんでだよ?
なんでテメーの事心配しねーんだよ?
なんで俺のことばっかり・・・






胸倉を掴んだまま愕然とする土方を沖田が支える
そしてその場に崩れ込んだ




「土方さん・・・名無しさんはアンタの事本当に愛してたんですねィ」







その場にいた全員が沈痛な面持ちで土方を見る

すると野田が意を決したように口を開いた







「まだ、名無しさんが此処で生きて行く方法はあります!」








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