・2 (完結)

□第四十章
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ドゴォォォォォォォンンンン!!!!!






けたたましい爆発音と共に屯所は朝を迎えた




また総悟の野郎か・・・
ったく、毎度毎度どんだけ破壊活動すりゃー気が済むんだよ



ぶつぶつと文句をいいながら爆発したと思われる所まで土方は足を運んだ



着いた場所は今は使われていない第3拷問部屋
その扉の隙間からは白煙が漏れている




あ?
なんでこんなとこで爆発なんか起してんだ?




不思議に思いながら土方はその扉に手を掛けようとした





「あり?土方さんじゃねーですかィ?何ですかィ?今の爆発音」



そう言って反対側の廊下から来たのはアイマスクを頭に乗っけた沖田だった



「へ?総悟?じゃぁ、この爆発音はテメーじゃねーのか?」


「はい?俺のわきゃねーじゃねィですかィ」




くぁっと欠伸を1つすると沖田も扉の前に来た




「んじゃ、一体誰が・・・」



そう思った時、ゆっくり重厚感のある扉が開いた



ゴクリと2人の喉が鳴る














『けほけほ・・・ふぁー・・死ぬかと思いましたぁ〜・・・・』







なんと出てきたのは全身真っ黒になった名無しさんでした




「Σ!?何してんだ!?お前!!真っ黒じゃねーか!?」


「見事な焦げ具合ですねィ」




その声に名無しさんは顔を上げるとそのままピシっと固まった




『ひっ!ひっじかったさ〜んとおっきたく〜んじゃないでっすかァ〜』



「何が沖田君でィ、キモチワリー」


『あー煩くしちゃってすみません、すぐ片付けますんでι』




そう言って扉を閉めようとした時、その扉の隙間に土方が足を入れて止めた




「何してたんだよ?名無しさんちゃんよー」



『Σ!ですから瞳孔開きながら名無しさんちゃんって言わないで下さいよ、めちゃくちゃ怖いんですから』



「良いから此処あけやがれ!!」


『ぎゃっ!乙女の秘密です!!』


「そんな真っ黒焦げの乙女があるか!!?何爆発させたんだよ!?」




ドアを挟んでの攻防戦
男の力には敵わず、あっさり引きづり出された名無しさんは土方に首根っこを掴まれ猫の様な状態になった




「良い格好じゃねえかィ、ついでに首輪も付けますかィ?」


『お気持ち痛み入りますが結構です』



土方に首根っこを掴まれた名無しさんは引きずられる様に拷問部屋に入れられた




中はやっと白煙が晴れ、埃っぽかった



床に散らばるビーカーや、試験管の破片
あと何やら薬品が沢山置いてあった
そして中央には今だぷすぷすと煙を吐いている遠心分離機




なんじゃ、こりゃ?
何かの実験でもしてたのか?




土方は眉を寄せながら捕まえている名無しさんの顔を見る

名無しさんは「ヤベ―」っと言うような表情でその無残な光景を見ていた





「これが乙女の秘密か?」



『えへへへへ〜♪そうです〜♪見ちゃイヤン★』



「見ちゃイヤン★じゃねーよ!!何したらこんな惨状になんだよ!!??」



『ちょっと、研究に失敗しまして・・・』



「あ?研究?」



『えーっと・・・若返りの妙薬を・・・』




「はァァァァァァァ!!??」





周りをコンクリートで固めた部屋に土方の呆れた声が木霊する
そしてパシンと頭を叩かれる






「んなもん朝からセコセコ作ってたのかよ!!??」



『イッタ―!!だから乙女の秘密って言ったじゃないですかァァ!!!』


「はァ〜・・・心配して損した。オイ総悟飯行くぞ、名無しさんも来い」


『あ、私は此処片づけてから行きますんでお先にどうぞ!』


「じゃァ先行ってやすんで後からきなせィ」


『はい!』




そう言うと拷問部屋を後にする2人
扉が閉まり、少し廊下を歩いた所で




---------ドゴォォォォォォォォォンンンン!!!!!!!





再び爆発音が聞こえた




「名無しさんテメーいい加減にしろよォォォォォ!!!!!!!!」




『ひー!!!ごめんなさいィィィィィ!!!!』










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