・2 (完結)

□第三十九章
1ページ/4ページ






5月末
だんだん日差しも熱くなってきた今日この頃
道場では更に蒸し暑い男どもが木刀を振り回していた




そんな声を聞きながら名無しさんは縁側でサボり中




はー・・・
段々夏に近づいてきてるんですね
お日様元気良すぎです・・・
さすがに、この隊服も暑苦しくなってきますね〜
胸元のスカーフとか要らないでしょ・・・



パタパタと顔を仰いでいると沖田が身動きをした

只今沖田は名無しさんの膝の上で就寝中




えェ・・・りっぱなサボりですよ
でもこれを断ればあとが怖いんです
でも膝枕が土方さんにばれるのも怖いんです
もうどっちもどっちで怖いんですよ・・


溜息を吐きながらそのサラサラな髪に指を通した



うわ・・・綺麗な髪ですね
キューティクル出来てますよ
寝顔もかわいいし・・・
なのになんであんな性格なんですかね
本当残念な人ですよね
私は貴方が笑っているだけで冷や汗かきますよ・・・




サラサラと髪を梳いていると見回りから帰ってきた土方と目があった



ヤバい!!
こんなとこ土方さんに見つかったらめちゃくちゃ怒られる!!!



慌てて沖田の髪を思い切り引っ張って起そうとした時
土方の口から変な言葉を聞いた












「あ!名無しさんたん!沖田先輩とお昼寝でござるか?僕も後で名無しさんたんの膝枕してほしい・・・ぎゃー恥ずかしくて言えないでござるー!!!」





















『・・・・・・・へ?』












なにやらモジモジしてダッシュで部屋に戻って行ってしまった土方





・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
・・・・・何なんですかァァァァァァ!!??あれはァァァァァァ!!!???



空いた口が塞がらないとは言いますが、マジで塞がりません!!!
つか、顎落ちそうです!!
なんですか!?今の!!
名無しさんたん!?僕う!?ござるぅ!?
あれ本当に土方さんでしたよね!?
あれ?そうですよね?
え?誰!?
私の目と耳が可笑しかったんですか!?
えええええェェェェェェ!!!!????







思わず髪を引っ張ったままだった名無しさんは沖田のデコぴんでハッと意識が戻ってきた



「何人の髪ひっぱってんでィ!」


『え?総悟、私、なんか、変な、物?いや人?見たかも?』


「何でィ?屯所の中に不審者ですかィ?」


『え、いや、そうじゃなくて・・・・土方さん?』



「土方コノヤローが変なのは今に始まった事じゃねーでさァ」


『いやいやいや、明らかに可笑しかったんです!!なんか・・・キモかった・・・ι』


「だから言ってるじゃねーですかィ、土方はキモ方だって」


『だーかーらーそうじゃなくてェー!!!』



沖田と名無しさんが言い合いを続けてる中、2人を割って誰かが入ってきた








「2人とも喧嘩はダメでござるよ?僕と一緒にこのフィギュアについて語ろうではないか!!」







ズイっと2人の顔の前に出されたのは「トモエ5000」のフィギュア







何これ?
っつか、誰これ?
何しゃべってるか解読出来ませんよ?
土方さん
あれ?これ土方さん?





名無しさんは目を点にしてフィギュアと土方を交互に見つめる
その視界に総悟が入る


すると沖田は顔を引きつらせながら綺麗に、とても奇麗に土方にクリンチを掛けると、脳天を床に叩きつけた



『ひィィィィィィィ!!!!???何考えてるんですかァァァァァァ!!!!』



「話はあとでィ!!名無しさんこの場は一旦逃げますぜィ?」




沖田に腕を引っ張られ走っていく先は局長室
名無しさんは訳が分からず兎に角沖田についていった






「緊急事態ですぜィ!!トッシーがまた出てきやがった!!」




襖を開けると沖田は近藤にそう叫んだ

中に居た近藤と山崎はその言葉に目を丸くする



「ええええェェぇェ!!??成仏したんじゃなかったのォォォォォ!!??」


「副長またなっちゃったんですかァァァァ!!??」



その言葉の意味が分からず名無しさんはコテンと首を傾げる




トッシー?
成仏?
またって・・・どういう事ですかね?





話についていけない名無しさんを余所に、3人で緊急会議が行われた






次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ